千葉の鍼灸 | アトピー /各種アレルギー専門鍼灸院
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アトピー アトピーあれこれ

アトピー性皮膚炎とステロイドの話

更新日:

松戸市のアレルギーバスター!てんびん鍼灸治療院
はり師・きゅう師・柔道整復師の澁谷です。
松戸市でアラテックセラピーが受けられるのは当院のみになります!

このページは、アトピー性皮膚炎ステロイドのことで悩まれている方向けに情報をまとめてあります。

  • 脱ステロイドに臨もうかと情報を集めている人
  • 現在脱ステロイドに臨まれている方
  • 過去脱ステロイドに挑戦して挫折してしまった方
  • アトピー性皮膚炎でのステロイド薬の使用に疑問を感じられている方

このような方々に参考にしていただければ幸いです。

院長渋谷
ここでお断りをしておきます。
私は東洋医学に携わる立場もあって、基本的には自然派志向になります。薬で言えば、なるべく使わないようにしますし、使わなくて済むような身体作りを目指しています。
しかしながら、薬の全てを否定するわけではありません。薬を使わなくてはならないような状況・症状もあるでしょう。
薬で助かった経験のある人も大勢います。
ただ、やみくもに「風邪なら薬」、「お腹がくだったらすぐ下痢止め」、「熱出た下げろ」のような条件反射的な薬の使い方には異を唱えさせてもらっています。
このステロイドに関わるページでも同様です、患者さんは皆さんそれぞれにアトピー症状の軽重や置かれている環境、仕事、年齢、ステロイド薬使用歴など、あらゆる条件が異なるわけですから、全てのケースのステロイド薬使用を否定するものではありません。

アトピー性皮膚炎で悩まれている方の症状や状況、環境は人それぞれですし、考え方や希望も人それぞれです。アトピー性皮膚炎がステロイド薬の使用で見事に良くなるケースもありますし、脱ステロイドに臨んだものの、願っていたような効果が出てくれないようなこともあります。そこそこに症状のコントロールが出来ていれば良い、という考え方の人もいらっしゃるでしょう。
大事なことは患者さんのお一人お一人がご自身の症状とどのように向き合って行きたいと考えられているかだと思っています。途中で考え方が変わったとしても良いでしょう、ご自身が納得できる形でアトピー性皮膚炎やステロイド薬をコントロールなさってください。

さて、大前提は今お伝えした通りですが、アトピー性皮膚炎や各種アレルギー症状への対応を主とする院としては、「脱ステロイドをしたい」という患者さんの意志を尊重しますし、応援をいたします。
ただ、やみくもに臨まれてしまうと、思いがけないような強いリバウンド症状であったり、精神的/肉体的な苦痛と突如向き合わねばならなくなってしまうようなことがありえます。
脱ステロイドに関しては、信頼できる脱ステロイド推奨派の医師や専門家に相談しながら進めていかれるのが良いでしょう。
昨今は、個人の脱ステの体験談がYouTubeSNS等でも情報として手軽に得られるようになっています。脱ステを推奨している医師の下での入院体験談や、その指導内容のシェアなどは大いに参考にされると良いと思いますが、その内容が個人の「私は○○でアトピーが良くなった」「このようにして脱ステを成功させた」という話で終始される場合には注意が必要です。
医学的な根拠に乏しく、【その人の状況/条件だったからよくなった話】の可能性が高くなってきます。
誰がどのような内容を発信しているのか?については、情報を得る際に常に意識するようになさってください。

このページが、アトピー性皮膚炎ステロイド外用薬の使用にお悩みを持つ方々のお役に立てば幸いです。

ステロイドについて

そもそも、ステロイドとはどういうものなのでしょうか。

イメージ先行で「ステロイド」と聞くだけで、「=危ない薬」だと連想してしまう人もいるように思います。
ですが、このステロイドというものは、実は私たちの体の中に自然な状態で存在しているホルモン(ステロイドホルモン)なのです。
薬として出されるステロイド薬は、この天然のステロイドホルモンが持つ抗炎症作用、坑アレルギー作用、坑ストレス作用等を効率よく患部に作用させらために合成して作られたものと言うことになります。

以後、このページ内では副腎皮質で作られる天然のステロイドをステロイドホルモンと、薬として処方される合成されたものをステロイド薬と分けて表記していきます。

ステロイドを作る場所と作用

腎臓の上にあり、腎臓がちょうど三角形の帽子を被っているかのように存在している「副腎」という小さな臓器の「副腎皮質」という場所が、ステロイドホルモンを産生しています。
この副腎皮質では、糖質コルチコイド・電解質コルチコイド・アンドロゲンといったステロイドホルモンが分泌されています。詳細は次の表①にまとめます。

さらに、近年の実験では、このステロイドホルモンを分泌するのが副腎皮質のみに限らず、ケラチノサイトと呼ばれる表皮細胞の90%を占める角化細胞そのものにもステロイドホルモンを生み出す能力があることが確認されており、表皮細胞そのものが皮膚の創傷治癒に関わっていることも証明されています。

表①

副腎部位 ホルモン(グループ) ホルモン(種類) 生理作用
副腎皮質 ステロイドホルモン 糖質コルチコイド
(コルチゾール)

・糖の新生を促進、血糖値の上昇
抗炎症作用、抗アレルギー(免疫抑制)作用
抗ストレス作用、抗ショック作用
・胃酸分泌促進

副腎皮質 ステロイドホルモン 糖質コルチコイド
(コルチゾン)
・グリコーゲン貯留作用
副腎皮質 ステロイドホルモン 電解質コルチコイド
(アルドステロン)
・ナトリウムイオンの再吸収、カリウムイオンの排泄促進
・ナトリウムイオンの再吸収に伴って水も再吸収
副腎皮質 ステロイドホルモン 副腎アンドロゲン ・副腎から分泌される男性ホルモン
・女性においては男性ホルモンとして体毛の発育に関与
副腎髄質 カテコールアミン アドレナリン ・心拍数を上げて血圧上昇
・ブドウ糖の生成促進
・気管支拡張作用
*神経伝達物質としてはほとんど分泌されない
副腎髄質 カテコールアミン ノルアドレナリン ・血管収縮による血圧上昇、心拍数上昇、
・ブドウ糖の生成促進
・基礎代謝率増加
➡体を活動に適した状態にする
*神経伝達物質として脳内で情動系に作用

いかがでしょうか。

確認いただけるように、ステロイドホルモンによる生理作用には、自然治癒力・自然免疫の発揮においても無くてはならない役割があるのです。
一方で、ステロイド薬というのは、ここにあるようなステロイドホルモンの持つ、抗炎症作用、抗アレルギー(免疫抑制)作用、坑ストレス作用を利用した合成薬となるため、炎症症状の緩和アレルギー症状の抑制に効果的であり、こと皮膚疾患で言えば、見た目の症状改善には良く効くケースが多いわけです。

ステロイドと一口に言っても
①身体の中で作り出されている言わば天然のステロイドホルモン
と、
②薬として処方される合成されたステロイド薬
がある、ということをご理解ください。

当然のことながら、患者さん方が心配されるのは②の合成されたステロイド薬の使用についてのものになるのですが、お悩みは、その使用歴ステロイドランク副作用塗っても効かなくなってきたことなど個人の状況によっても差が出てきます。

なぜステロイドは効くのか

なぜステロイド薬は皮膚炎に効果が出やすいのだと思いますか?
その理由はこうです。

薬として処方されるステロイド薬ですが、これは(副腎皮質ホルモン=ステロイドホルモン)を化学合成したものになります。
私たちの身体には副腎という臓器があって、このステロイドホルモンというのは、その副腎の副腎皮質から日々分泌されているホルモンでもあります。
副腎機能に問題がなければ自ら作り出しているホルモンであり、ステロイドホルモンそのものに抗炎症、抗アレルギー、ストレス抵抗性の上昇などの作用があって、ケガや炎症など心身にストレスが加わった時には、自動的に分泌調整が行われ日常的に働いてくれています。

このように私たちの身体の中で日々作り出され、生理的に作用できるということは、ステロイドホルモンの受容体(レセプター)が体内に存在するということであり、身体にステロイドホルモンを受け入れる仕組みがあるということです。そして、その受容体が細胞質ということも判明しています。つまりは、ステロイドホルモンやステロイド薬というものは直接私たちの細胞に働きかけることでその効果を現していることになるのです。

この細胞レベルに働きかけることのできるステロイドホルモンが、ステロイド薬という形で外用や内服により多量に身体に存在すれば、抗炎症作用などが一時的に強力に得られることになるのは当然です。見た目の症状(炎症)などは鎮静化しやすくなります。

ステロイド薬の何が問題なのか

抗炎症作用などが一時的に強力に得られ、見た目の症状(炎症)などが鎮静化しやすくなるステロイド薬の一体何が問題になるのでしょうか?
身体に元々存在するようなものならば、薬として外部から供給したとて問題は無いようにも感じられるわけですが、、。

ここで取り上げるステロイド薬の問題点は2つです。
①アトピー性皮膚炎でステロイド薬を使うと止め時が難しくなるケースが多い
②ステロイド薬の持つ免疫抑制作用によって易感染性となりうる

①アトピー性皮膚炎でステロイド薬を使うと止め時が難しくなる

ステロイド薬は確かにアトピーの皮膚症状の緩和に効果的に働きかけられる確率が高いものです。
ただし、ここが肝心なことなのですが、ステロイド薬の使用によってアトピー性皮膚炎そのものが治るということではなく*、表面の皮膚の炎症症状(見た目)が一先ずキレイになるといった対症療法であるため、ステロイド薬を使わないでいると、再び皮膚の炎症症状がぶり返したりしてしまうことが往々にしてあるわけです。

「ステロイド薬を使用したら皮膚がとてもキレイになった!でも使わないでいたらまた皮膚が以前のように荒れてきてしまった」

さて、あなたがこのような経験をしていたら、症状がぶり返してしまったときにどのような選択をされるでしょうか?

はい。アトピー性皮膚炎で悩まれる方の多くが「痒み」と共に「皮膚コンディションの見た目」を気にされますので、一度ステロイド薬で皮膚が早くキレイになる経験をしてしまうと、心理的にステロイド薬に繰り返し頼りたくなってしまうのは致し方ないことです。知識や経験が乏しい状況であったならなおさら、他の選択肢は浮かんではこないと思われます。
また、たとえそれが根本治療にはなっていないとわかっていたとしても、生活や仕事に支障の出てしまう皮膚コンディションをそのままにしておくわけにもいかず、「ステロイド薬を使うしかない」という状況に置かれてしまっている方もたくさんいます。
そして、もしあなたのニーズが(とにかく早く見た目だけを一時的にでもキレイにしたい)というものであったとしたら、現在ステロイド薬以上にその効果を感じられるものは残念ながら見つからないでしょう。
時間に追われやすく、体調不良時には薬を服用することが当たり前である、木を見て森を見ずの風潮にある現代人にとって、ステロイド薬の効果と言うのは非常に都合が良いわけです。

ステロイド薬に頼る、そのような関係性ができてしまうと
・漫然と定期的に使い続けている
・症状が酷い時だけの使用でありながらも長期間使用している
・段々とステロイドランクが強いものでしか効果が得られなくなってしまっている
というような状況に徐々に傾いて行ってしまいます。程度の差はあれステロイド薬に対して精神的に、あるいは肉体的に依存*をしてしまっている状態です。

*アルコールやタバコのような依存性がステロイド薬にあるということではなく、医師からも止めないように言われてしまうし、皮膚の見た目を整えんがために仕方なく・・など、状況的に止めたいのに止められない、ほどよいレベルに抑えにくいという意味での依存性です。

依存状態がそもそも良くないのは想像がつくと思いますが、ステロイド薬の問題点となるのはその中身です。これはステロイド薬の副作用と考えてもらって構いません。
副作用にはいくつか代表的なものがあります(後述のステロイド皮膚炎を参照)が、とりわけ重要なのは副腎機能と皮膚細胞機能の低下になります。
先に、本来ステロイドホルモンは副腎表皮細胞で作られているということを説明しました。
自ら作り出せるものなのに、外部から合成されたステロイド薬を補充してしまっていると、副腎機能や表皮細胞機能が怠けるようになってしまうのです。

「外から供給されるなら、作らなくたっていいよね」と。

そして、このレベルになってしまうと、心身とステロイド薬との関係性を断ち切るのが相当に難しくなってきてしまうわけです。
いざ、(ステロイドの使用をもう止めたい)とあなたが願ったとしても、かなりの覚悟を持って臨まないことには、断薬や減薬によるリバウンド症状(離脱症状)が強く出てしまうケースが多いこともあって、ステロイド薬を断ち切るのが難しくなります。

現在の日本において、アトピー性皮膚炎に対する標準治療*は「薬物療法」「スキンケア」「悪化因子への対策」となっているため、「薬物療法」の選択肢としてステロイド薬は一般的なものとなっています。
*標準治療:科学的根拠(エビデンス)に基づいた観点より、現在利用できる「最良の治療」と考えられ、多くの患者に推奨される治療のことで、西洋医学的の基準となる治療法になります。

ステロイド薬は、優れた抗炎症作用が期待できることから、アトピー性皮膚炎等で皮膚に炎症症状がある場合に、その見た目の症状緩和には抜群の効き目が得られることが多く、簡単に言えば荒れた皮膚が速やかにキレイに整えられるわけです。
しかしながら、ステロイド薬が標準治療の選択肢であり炎症緩和作用が強いにも関わらず、アトピー性皮膚炎でお悩みの患者さんの中には、そのステロイド剤との関わり方で悩むことになる方が一定数おられるわけです。
そういった方々のお悩みや疑問は、
・ステロイドランクがどんどん強くなっていて不安
・塗った時は良いけど塗らないと結局戻ってしまう
・ステロイド薬も効かなくなってきた
・長期間使っていることに不安を感じる
・ずっとステロイド薬を使用し続けなければいけないのか
・症状を抑えているだけで結局治っていないんじゃないか?
・ステロイド皮膚症が出てきてしまった
・脱ステの方が良いのかなぁ、何が本当かわからない

といったものになってきます。

②ステロイド薬の持つ免疫抑制作用によって易感染性となりうる

ステロイド軟膏を使用し続けていると、主にその塗布部である皮膚の局所免疫を抑制してしまうことがあります。
これはステロイド薬の持つ坑アレルギー(免疫抑制)作用によるものです。

アレルギーとは、アレルゲンに対して心身が過剰な免疫反応を示した結果現れてくる様々な症状のことを言いますが、ステロイド薬にはそれら過剰な免疫作用を抑制する作用があります(坑アレルギー作用)。
この免疫抑制作用が、身体にとって不都合なものだけに効果を発揮してくれればよいのですが、ここが薬のコントロールの難しいところで、正常な免疫作用にまでその効果が及んでしまうことがあります。
【免疫抑制作用(坑アレルギー作用)=アレルギー症状を抑える+正常な免疫作用も抑える】ということ。
そのためステロイド薬を日常的に使用するアトピー性皮膚炎の方は、皮膚の免疫力が低下してくる可能性があり、皮膚表面に傷があることも多いため特に感染症に注意が必要です。
カポジ水痘用発疹(ヘルペスウイルスによる感染症)や黄色ブドウ球菌などによる感染が多くなります。
これらのウィルスや菌には、人間の身体は日常的に曝されています。正常免疫が働いていて、体調不良等が無ければこのような常在菌に感染することなく生活ができるのですが、自然免疫状態が乱れることにより、これら常在菌群にも感染をしてしまうことがあるのです。

また、同様の理由から風邪やインフルエンザ等にも罹患しやすくなる可能性がありますので、流行時期などは尚更体調管理に気をつけるようにしましょう。

このように、ステロイド薬を長期に渡り使用してきた結果として出てくる心身の不調はもちろん、過去ステロイド薬に頼らざるを得なかった方々が、後になってお悩みや疑問を持ったり、苦しまなくてはならなくなってしまうということ自体が、ステロイド薬使用によって引き起こされ得る問題だと私は考えています。

ステロイドランクについて

ステロイド薬(外用剤)は、その作用の強さによって5段階に分類されています。
表②にまとめてみました。

ランク ランク 主要商品名
Ⅰ群 Strongest
(最も強い)
デルモベート
ジフラール
ダイアコート
Ⅱ群 Very strong
(とても強い)
フルメタ
アンテベート
トプシム
リンデロンDP
マイザー
Ⅲ群 Strong
(強い)
エクラー
ボアラ
メサデルム
リンデロンV
フルコート
Ⅳ群 Medium
(普通)
リドメックス
ケナコルトA
レダコート
キンダベート
ロコイド
Ⅴ群 Weak
(弱い)
プレドニゾロン
コルテス
オイラゾンD軟膏

Ⅰ群(Strongest)とⅡ群(Very Strong)に分類されるステロイド外用薬は、取り扱いに医師の処方箋が必要となります。
Ⅲ群(Strong)、Ⅳ群(Medium)、Ⅴ群(Weak)に分類されるステロイド外用薬はドラッグストアでも購入できます(薬剤師等に相談)。

当然のことながら強いステロイド外用薬であるほど、副作用などへの配慮が必要になってきます。
また、ステロイド軟膏の吸収率は、皮膚の厚さによって異なってくる*ため、特に複数のステロイドを利用している方などは、使用する場所と軟膏の種類を間違えてしまわないように注意が必要です。
部位ごとの吸収率の差の目安を以下に記します。

*皮膚、部位ごとの吸収率の差(腕の内側の吸収率1.0が基準:成人)
 頭皮=3.5
 前額=6.0
 頬 =13.0
 下顎=13.5
 背面=1.7
 腋窩=3.6
 前腕(外側)=1.1
 前腕(内側)=1.0
 手掌=0.83
 陰嚢=42.0
 足首=0.42
 足裏=0.14
*乳幼児の場合は全体的に吸収率が高くなると考えられます。

ステロイド外用薬の経皮吸収率は、皮膚が薄いところほど高くなってきます。顔や陰部などに処方される場合は基本的にステロイドランクの低い物になるはずですし、市販のステロイドを購入利用する際も常駐の薬剤師さんなどに相談し、使用する部位に対して適正なランクのものを選ぶ必要があります。ご注意ください。

ステロイド皮膚症と脱ステロイド、ステロイド離脱皮膚炎を知りましょう

さて、ステロイドについて調べていると、ステロイド皮膚症脱ステロイドステロイド離脱症状、このようなキーワードが目に入ることがあるのではないでしょうか。
ここでは、それぞれがどういうものであるのかを、少し掘り下げて説明したいと思います。

ステロイド皮膚症とは

ステロイド薬を長期に渡って使用することで引き起こされ得る皮膚症状(副作用)のことを言います。

脱ステロイドとは

主にアトピー性皮膚炎で長期的にステロイド薬を使用してきた方々が、ステロイド薬で皮膚症状を抑えることを止め、薬に頼らずにアトピー性皮膚炎と向き合っていこうとする方針及び行動のことを言います。

ステロイド離脱皮膚炎とは

ステロイド離脱症状の一つで、主に皮膚に現れる離脱症状を指しており、脱ステロイドやその他の理由で長期使用してきたステロイド薬の使用を止めたときに、それまでステロイド薬で抑制されていた皮膚症状が反動で強く表面化してきてしまうものを言います。それまでのアトピー性皮膚炎そのものの症状よりも重篤化してしまうことが多くなります。

ステロイド皮膚症にしても、脱ステロイドにしても、ステロイド離脱皮膚炎(離脱症状)にしても、ステロイド薬を使用していない人には起こらない、関係の無い話なんですね。
症状を良くするための薬なのに、なぜそのようなことが起こってしまうのか、それぞれがどんな状態を指しているのかを知っておきましょう。

ステロイド皮膚症について

ステロイド皮膚症とは、ステロイド薬を長期間使用したり、過度に使用した結果、皮膚にステロイドによる炎症が引き起こされてしまう症状のことを言い、ステロイド薬使用による副作用が現れてしまっている状態のことになります。
以下に症状を挙げますが、ステロイド薬を使用している全ての人に起こるわけではありませんので誤解の無いようにお願いします。

ステロイド皮膚症(副作用)の主な症状は以下のようなものになります。

  1. 皮膚の赤み: 毛細血管が拡張して皮膚が赤くなり、炎症が生じます。
  2. 皮膚の腫れ: 炎症によって皮膚が腫れたり、浮腫んだりすることがあります。
  3. 痒み: 痒みが強くなることがあります。
  4. 乾燥: 皮膚が乾燥しやすくなり、かさぶたやひび割れが生じることがあります。
  5. ステロイドざ瘡: 尋常性ざ瘡*に似るが、白色の面皰(めんぽう)⁑が多発する傾向がある
  6. ステロイド皮膚: 皮膚萎縮(薄くなる)、皮膚線条(皮膚に線状の亀裂ができてしまう)、毛細血管が目立つ(酒さ様皮膚炎)
  7. 魚鱗癬様皮膚変化: 全身的に発生する魚の鱗状、サメ肌状の皮膚変化のこと
  8. 紫斑: 毛細血管の脆弱化により毛細血管壁が壊れやすくなる
  9. 多毛: 外用薬を塗っていた局所が多毛になることがある
  10. 色素脱失: 色素細胞(メラニン細胞)の働きを弱めてしまうことで塗布局所の皮膚が白くなることがある
  11. 易感染性: 免疫抑制作用により、カンジダ症やヘルペスなどの皮膚感染症がでやすくなることがある
  12. 口囲皮膚炎: 鼻の下、口、顎周辺に皮膚炎の拡大がみられることがあります。

* 尋常性ざ瘡:毛嚢を中心とした炎症性疾患。俗に言うニキビのこと
⁑面皰(めんぽう):毛穴に皮脂や角質が詰まっている状態、俗に言う白ニキビのこと

アトピー性皮膚炎の方が、ステロイドを長期的に使用していると、主訴であるアトピー性皮膚炎による炎症症状はステロイドの薬効で抑えられているものの、それとは別にステロイドの皮膚への副作用が蓄積されていくことで、このステロイド皮膚症が出現してしまうことがあります。
そうなると、皮膚コンディションの悪化がアトピー性皮膚炎によるものなのか、ステロイド皮膚症による不調なのかがわかりにくくなってしまうのです。
そもそもアトピー性皮膚炎に悩み、肌のコンディションが乱れやすい方の症状のため、この差を見分けるのは容易ではなく、ステロイド皮膚症に理解のある医師のもとへ相談に行かないと結局ステロイド薬を処方されてしまうような流れになりがちとなります。

きちんと理解をしていて欲しいことですが、アトピー性皮膚炎の炎症症状に対してのステロイド薬の使用は、あくまで対症療法です。皮膚に起こった炎症を抑えつけるのがステロイド薬の役割です。
見た目だけを気にされるのであれば、確かに手っ取り早い方法にはなりますが、アトピー性皮膚炎の根本を治療しているわけではないので、アトピー性皮膚炎の再発や増悪を長期に渡り繰り返す可能性が高くなり、
また、そうしてステロイド薬の使用が当たり前になってしまったり、より強いステロイド薬でないと効かないような状況に陥ってしまっていると、このステロイド皮膚症という副作用が混在した状態にいつの間にか移行していってしまうリスクが上がっていくことになるのです。

ステロイド薬の使用については、医師によっても見解の分かれるところがありますが、ステロイド薬を使わずにアトピー性皮膚炎の治療に臨んでくれる医療機関は非常に少ないのが現状です。
治療中のストレスの増減にも関わってくることから、ご自身のステロイド薬使用に対する考えや希望とズレの少ない医師と出会えるかどうかも大事なことだと当院ではお伝えしています。

脱ステロイドについて

主にアトピー性皮膚炎で長期的にステロイド薬を使用してきた方々が、ステロイド薬で皮膚症状を抑えることを止め、ステロイド薬に頼らずにアトピー性皮膚炎と向き合っていこうとする方針のことを言います。
ステロイド薬使用によって引き起こされていた副作用(ステロイド皮膚症)を取り除くために選択し実行するものです。
【大事】※脱ステロイドはアトピー性皮膚炎そのものを良くするわけではなく、ステロイド薬による副作用の影響を取り除くものです。

脱ステロイドは標準治療を行う皮膚科や医師には積極的には推奨されません。むしろ反対されることもあるでしょう。
特にアトピー性皮膚炎の標準治療(西洋医学的基準)では、「薬物療法」「スキンケア」「悪化因子への対策」の3本柱でアトピー性皮膚炎の治療を進めることが推奨されており、この薬物療法の中の1つがステロイド外用薬の使用ということになるからです。
そして、日本アレルギー学会・日本皮膚科学会によって作成されたアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021によれば、そのゴール(治療目標)は「症状がないか、あっても軽微で、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持することである。また、このレベルに到達しない場合でも、症状が軽微ないし軽度で、日常生活に支障をきたすような急な悪化がおこらない状態を維持することを目標とする」となっています。
さて、この黄色マーカー部の文章がどういうことを意味しているかはお分かりいただけますでしょうか。ぜひ考えてみてください。

こういった状況であるため、アトピー性皮膚炎で標準治療を続けられている場合にはステロイド薬の使用をなかなか止めることができなくなってしまいます。
そのような背景から、前述した、ステロイド皮膚症(ステロイド薬を使用しているが故の皮膚変性)が現れてしまった人や、インターネットによる情報取得によって、ステロイド薬の継続使用への疑問や不安を覚えた方々の中に、脱ステロイドに取り組みたいと希望される方が出てきます。

この脱ステロイドですが、ハッキリ言って容易ではありません。
「以前脱ステロイドにチャレンジしてみたけど、とてもじゃないけど続けられなかった」
というような経験談や感想はよく耳にするものです。

経験した方にしかわからない感覚ですが、大げさではなく
「死ぬかと思った」「二度と経験したくない」「あんなに辛いことは他にない」といった言葉が聞かれます。
気力も体力も削られますので、動けなくなってしまうし、日常生活意欲もなくなってしまうようなことも少なくありません。

長期に渡り、あるいは強いステロイド薬を使用しているほどに、脱ステロイド時の離脱症状(リバウンド)が強まる傾向があり、
この離脱症状(リバウンド)による一連の体調不良(悪化)が非常に難敵となります。
人によっては、「仕事に行けない」「普段の生活がままならない」というレベルで症状が現れてしまうこともあり、リバウンド症状が強すぎると入院治療も検討しなくてはならない人が出てきてしまうほどです。

また、個人差がかなり出てしまうのがその脱ステロイドに臨むことになる期間です。
強いリバウンド症状は開始から1~3ケ月で概ね治まってきます。そこからさらに数ヵ月~数年間(個人差が大きく出る部分)と時間をかけて、皮膚コンディションは落ち着いてきます。

さらに話をややこしくする反応が出現してしまうこともあります。
それは、脱ステロイドに成功し、ようやく辛い離脱症状を乗り越えられた!と、自他ともに認められるタイミングがやってきたとしても、その数ヵ月から数年後に急に、過去にステロイドを使用していた箇所が再び荒れだす(皮膚炎が再発する)ことがあるということです。この時にアトピー性皮膚炎の症状がすでに落ち着いているのであれば、それはステロイド皮膚炎の名残り(細胞レベルでの皮膚炎の記憶)と思われる症状になりますので、慌ててステロイド剤に頼ったりすることなく、それまでと同じように対応する必要があります。

ステロイド離脱皮膚炎について

ステロイド離脱皮膚炎は、ステロイド薬を長期間使用した後、または強いステロイド薬を使用した後に、その使用を中止することで発生する一連の離脱(リバウンド)症状のことを言います。
このステロイド離脱皮膚炎は、身体がステロイド薬の依存状態から脱却する過程で多かれ少なかれ生じてくるもので、主に皮膚に現れてくる症状を指しますが、ステロイド離脱症候群の一つと言えます。

ステロイド離脱時に現れる症状には、一般には以下のような全身性に現れる副作用(離脱症候群)皮膚(離脱皮膚炎)など局所に現れるものがあります。
いずれにしてもその症状は、ステロイド薬の使用量や期間、個々の体質や生活習慣によって異なることになります。

ステロイド離脱症候群の症状
  • 倦怠感や疲労感
  • 筋肉の弱さや痛み
  • 関節の痛み
  • 体重の増加
  • 食欲不振
  • 吐き気や嘔吐
  • 不安やうつ
  • 頭痛やめまい
  • 血圧の上昇
  • 血糖値の変動
  • かゆみ
  • 落屑
  • ヘルペス・カポジ水痘様症
  • 色素沈着
  • 滲出液
  • 発熱
  • 悪寒・震え
  • 浮腫(むくみ)
ステロイド離脱皮膚炎の症状

ステロイド離脱症候群の内、皮膚に見られるものをこのように呼称します。

  • かゆみ: 皮膚が痒くなります。時として激しい痒みとなります。
  • 落屑(らくせつ): 皮膚が乾燥して剥がれやすくなり、ボロボロとした皮片が見られることがあります。
  • ヘルペス・カポジ水痘様発疹症: 免疫抑制作用の影響で易感染性となり、皮膚に発疹や水疱ができやすくなります。
  • 色素沈着:リバウンド症状としての皮膚炎の鎮静後に見られることがあります。
  • 滲出液(しんしゅつえき): 皮膚から透明~薄黄色の液体が出てくることがあります。
  • 浮腫(むくみ): 皮膚が局所的あるいは全身的にむくむ(腫れる)ことがあります。

上記の内、特に全身性の離脱症状が発生してしまうメカニズムは、急性の副腎不全によるものだと考えられています。
ステロイド薬への肉体的依存により、本来備わっていた副腎のステロイドホルモン産生/分泌機能が退化/低下してしまっていますので、いざステロイドの服用/外用を止めた場合に、すぐには副腎が上手くステロイドホルモンを産生/分泌出来ない状態になってしまっています。
そうすると減薬や断薬と副腎の機能低下によって、体内のステロイドホルモン量が一気に低下してしまうことになるのです。
これは抗炎症、抗アレルギー、ストレス抵抗性の上昇に使われるステロイドホルモンが突然足りなくなってしまうということを意味しており、その反動が一気に身体を襲うことになってしまいます。
今までステロイド薬で抑えられていた、体中の炎症症状、アレルギー反応、ストレス耐性が急激に乱れ、リバウンド症状として様々な不調が現れてきます。これがステロイド離脱症候群の正体です。

これらの離脱症状に関して、医療関連のサイトによっては

「全身性の離脱症状はステロイドの内服を行なった場合に出るもので、皮膚へのステロイド薬の外用であれば血中への影響も少ないため心配する必要はありません」

というような内容で記載されていることがあります。
が、残念ながらこういった文言はあまりアテになりません。
なぜなら、用法容量を守り3か月程度(短期間)ステロイド外用剤を使用した臨床データを基にしての「~影響も少ないため心配する必要はありません」という結論であるため、年単位~十数年にかけてステロイド外用薬を使用し続けた場合のデータによる安全性の話ではないからです。実際にステロイド薬との関りを悩まれる方は、目安である3か月を越えた使用歴を持つ方々が大半となります。

そして、脱ステロイドの臨床上では「ステロイドの内服の経験がなく、ステロイド軟膏だけを使用してきた方々にも、全身性の離脱症状と思われる所見が確認されることがあります」
また、ステロイド外用薬塗布を止めたことによる皮膚の局所的な離脱症状(離脱皮膚炎)であっても、予想もしていなかったような皮膚コンディションの悪化を呈してしまう例も存在します。

難しいのは、減薬/断薬によってこのような臨床上の病変がみられた場合でも、標準治療の観点ではそれらがステロイドの離脱症状ではなくトピー性皮膚炎そのものの悪化であると評価されてしまうことです。
ここは、脱ステロイド推奨の医師と標準治療を行う医師の見解が大きく異なっている点の1つになります。
アトピー性皮膚炎に悩まれている方にとって、治療法やステロイド薬に関する考え方に相容れないものが存在するというのは、そのお悩みをより複雑なものにさせてしまいます。

冒頭で、大事なことは
患者さんのお一人お一人がご自身の症状とどのように向き合って行きたいと考えられているかあると述べさせていただきました。
ステロイド薬の使用とその影響に関しては、あらゆる条件が患者さん個々によって異なります。
ですので、脱ステロイドに臨まんとされる方におかれましては、(とりあえずやってみよう)と、安易に手を出すのではなく、リスクや予想される身体の反応などを十分に理解された上で慎重に取り組んでいただきたいのです。

脱ステロイドにかかる期間

脱ステロイドの最終的なゴールは、ステロイドを使用することなく皮膚のコンディションが長期的に安定することだと言えるでしょう。
そこをゴールとして設定した場合、脱ステロイドにかかる目安期間というのは数ヵ月~数年」 +αとなります。

脱ステロイドによって、様々なリバウンド症状が引き起こされてくるわけですが、リバウンド症状の強弱やその継続期間、あるいは忘れた頃にやってくることのある症状の再燃の有無というものにはかなりの個人差があり明確な答えがありません。
これらリバウンド症状の個人差には、主に使用してきたステロイドの強さ期間が関係してくると考えられています。
また、その他の要素、例えば年齢栄養状態睡眠の質代謝能力・血流・内臓機能・ストレス等といった要因によっても左右されてきます。

先に「ステロイドを使用することなく皮膚のコンディションが長期的に安定すること」をゴールの目安としましたが、
例えばゴール設定が、「皮膚炎がある程度は残りながらもステロイド薬を使わずに過ごせるようになること」であれば、その期間は短くなります。
脱ステロイドに臨まれる本人が、どこまで良くなれば満足できるのかによっても期間は変わってくるわけです。

加えて、酷なこともお伝えしておくと、ご自身の望まれるゴールに目安期間を大きく超えても辿り着けない方もいらっしゃる、ということがあります。
これが+αの期間ということになります。
+αの期間に進んでしまうような、脱ステロイドによる変化が思わしくないケースでは、
前述しました年齢栄養状態睡眠の質代謝能力・血流・内臓機能・ストレス等のその他の要因の影響が考えられるわけですが、個々によって差があるため確実にコレだということは申し上げられません。

一般的なケースでは

    1. 脱ステロイド開始から1~2週間後に離脱症状のピークを迎えるような反応が現れる
    2. 再燃と緩解を繰り返しながら、日(月)を重ねるごとに強い離脱症状は低下してくる
    3. 数ヵ月から数年が経過して、離脱症状による皮膚炎の影響がある程度治まったと実感できる*この時に本来のアトピー性皮膚炎の影響が残存している方はその症状のみに移行してきます

      ここまで、通常は3ヶ月~12ヶ月程度が目安となります。
      この段階まで到達できれば、脱ステロイドに一先ず成功したと言えるでしょう。
      さらに、目に見えない副腎機能の安定/回復までを考慮した場合には~24ヶ月程度が目安になります。

    4. 長期的にある程度安定していたと思っても、突如皮膚炎が再発することがある*ここで焦ってステロイド薬に頼らないようにすることが肝要です

      皮膚炎の再発が起こらない人もいますし、不定期に再発を繰り返してしまうような例も存在します。
      *ここまでの流れはあくまで、脱ステロイド(ステロイド依存からの脱却)に関しての経過目安です。
      元よりあった、アトピー性皮膚炎症状そのものの趨勢に関しては別の問題となります。

脱ステロイド時の保湿について

脱ステロイドを行なう際にもう一つ重要な考え方があります。

それが脱ステロイド中の保湿はどうするか?です。

アトピー性皮膚炎で悩まれている方は、ステロイド薬の使用と一緒に保湿も毎日のように行っている方が少なくありません。
この保湿ですが、脱ステロイドを行なう際には一緒に脱保湿も行なうのが良いとされています。

保湿は、本来肌に必要のない行為であり、人の皮膚は余計なものを塗らなくとも皮膚常在菌や皮脂とのバランスにより弱酸性環境を維持できるようになっています。
その自然な生体環境維持サイクルを乱してしまうのが保湿行為であって、アトピー性皮膚炎でステロイド薬、並びに保湿剤を長年用いてしまっていた人の皮膚というのは、
皮膚細胞自らが炎症を抑え込む力であったり、乾燥や湿気などの外部環境に皮膚コンディションを適応させていく力というものが低下してしまっているのです。
過保護にされ過ぎたせいで耐性が低くなってしまうわけですね。

つまり、アトピー性皮膚炎で悩む多くの方が、ステロイド依存保湿依存状態を併せ持ってしまっているということになります。

そのようなわけで、皮膚そのものの持つ力をきちんと回復させていくためには、ステロイド薬保湿剤の両方に頼ることを止めて行かねばなりません。
脱保湿も同時に行うことで、確かに離脱症状出現時の皮膚の乾燥や落屑は一見増大した状況となります。
ですが、その「乾燥」を皮膚/肌に実感させることこそが、皮膚細胞の持つ本来の力を取り戻すためには必要なことになるのです。

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当院のアトピー性皮膚炎に対する施術方針

アトピー性皮膚炎

アトピーでお悩みの方の場合、当院での施術第一選択はアラテックセラピーになります。

アラテックセラピーは身体が過敏反応を起こしてしまっている物質や刺激を見つけ出し、その物質や刺激に対する過敏反応を元通りにリセットするための施術法です。
痛みや侵襲性なく受けていただけますので、お子様やシニアの方でも安心してご相談ください。

アトピーの施術には、アラテックセラピーを受けていただくことを前提としています。その理由は個人差はあるものの結果的に施術期間や施術回数を少なくできることがわかっているからです。必ずしも100%を保証するものではありませんが、施術作用は長期的に持続し症状の克服・コントロールに役立ちます。

アトピーの方が過敏に反応しやすい刺激(物質)はいくつも存在するわけですが、その中でも代表的な刺激(物質)は把握できていますので、アラテックセラピーではあなたがどのような刺激(物質)に対してアレルギー・過敏症の傾向があるのかをチェックした後、それら刺激(物質)の中でアトピー性皮膚炎や湿疹といった症状と関わりがより深いと考えられる物質から順に身体のエラー反応を修復していきます。

また、症状のレベルによっては、鍼灸・整体・各種生活指導・体操・電気治療・幹細胞ケアなどのアプローチを組み合わせて施術を行っていきます。

当院のアトピー性皮膚炎に対する鍼灸施術

鍼灸整体施術によって体質改善を行い身体の基盤を整えるお手伝いをいたします。
特に心身のストレスが多い環境で生活されている方や自律神経内臓機能の乱れが強く影響していそうな方、また血流状態が思わしくないような徴候のある方には、鍼灸整体施術も受けていただきます。

ストレスは大敵です。肉体的なストレスや精神的なストレスに過剰に曝されるということは、実は心身を攻撃していることになります。
攻撃されると私たちの心身は自動的に「応戦しよう/守ろう」というモードに切り替わるのですが、そういった反射作用が血流を悪化させ身体を硬くしてしまうのです。

自律神経が不安定になっていると、それによって調節されている内臓機能の働きも不安定になってきます。特に食事と関わる胃腸機能の状態はアトピーによる身体の炎症反応をコントロールしていくのに重要です。腸内環境によって免疫力にも差が出てくるなどという話も聞かれたことがあると思います。また皮膚は内臓の鏡とも言われるように、古くから皮膚と内臓の関係性は説かれているのです。皮膚の「膚」の文字しても、その漢字の中に「胃」が用いられているぐらいですから、皮膚と胃腸の関係性は無視できません。

血流状態、これも症状克服のためにはとても重要な要素になります。
血流は栄養や酸素を全身に運ぶ、老廃物を回収する、傷を治す、ホルモンを運ぶ、異物に対する免疫能、水分やPHを整える・・などなど、人間が健康に過ごすために欠かせない様々な働きを担っています。
アトピーは一般にの症状なので、言い換えると身体のあちこちで火事のような炎症が起こり続けている状態なんです。通常この炎症を身体はどうやって鎮めていると思いますか??
実は、たんぱく質やビタミン類、ミネラル類を消耗することで炎症反応に対応する仕組みというものが身体にはあるのです。栄養を材料に消火活動を行なっているわけですね。
また、皮膚のダメージが修復されるときにも材料が必要なわけでして、その材料もやはりタンパク質、ビタミン類、ミネラル類になってくるのです。
栄養が大事!というのはもちろんその通りなのですが、ここではそれらを身体の隅々に運んでくれているのって血液ですよね。という考え方が肝要です。
血流が良くない状態だと、抗炎症作用の発揮や組織の修復スピードにも影響が出てきます。アトピー症状を抑えようと思ったら血流状態が良いことはとても大切な条件になってきます。
当院では適度な運動や、汗がかけるようになることを指導させてもらうのですが、この血流の考え方が理由の一つです。

以上のことから当院の鍼灸整体アプローチは、ストレス緩和自律神経(内臓機能)の調整血流改善を主目的に行っていきます。

アラテックセラピーと併用していくのが一番のおススメですが、「鍼灸整体施術や生活習慣の改善だけで調整を行っていきたい」というご希望にもお応えいたします。
重度の症状の方では、週に2回程度の鍼灸施術から始め、だんだんと施術間隔を空けるようにしていきます。

ステロイドの使用に関して

アトピーでは「日本皮膚科学会」の治療ガイドラインから、多くの皮膚科で保湿による念入りなスキンケアステロイド外用薬による薬物治療第一選択となっています(標準治療とされています)が、ステロイドが段々と強いものになっていくことや、結局薬を塗らないと症状が戻ってしまうということに不安や精神的な疲労を感じてしまう方が一定数いらっしゃいます。
また、先にも触れましたがステロイド軟膏は長期使用することでステロイド皮膚症といわれるような症状を引き起こしてしまったり、(ステロイドが無いと不安)という精神面での依存が見られるようなこともあります。
一方で、「初期のステロイド使用のみでその後の重症化を避けられた」というケースももちろんあるわけです。

ゆえに、ステロイドを全否定するわけではありませんが〝先々も含めて使わずに済むのであればそれに越したことはない〟というのが当院の基本スタンスです。
当院へいらっしゃる方も、「薬をなるべく使いたくない」「ステロイドを使わない方法で良くなりたい」という方が多くなります。

患者さんの意志によってアドバイスの内容等は変化してきます。ステロイドを使いながらコントロールしたいということであればそういった対応も行っております。
脱ステロイドに本格的に臨みたいような場合には、脱ステロイドに理解のある医療機関を紹介させていただく場合もあります。

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施術回数目安

アトピー性皮膚炎に対してのアラテックセラピーは、症状の軽重・年齢・生活習慣・その他のアレルギー症状との関係などから、施術内容や回数にかなりの個人差が出てきます。

一般に低年齢・軽症状・単一症状に寄れば寄るほど、施術内容はシンプルに、回数も少なくなる傾向にあるとイメージしてください。しかしながら、脱ステロイドによるリバウンド症状への対応は、3ヵ月~1年程度の期間が必要になってくることが多いですし、一度良くなったと思っても数年後に再発傾向(以前と似たような皮膚炎症状)がみられるようなこともあります。

子供が痒がっているのをどうにかしたい、、、

アトピー 子供 痒い

皮膚コンディションのせいで人と会うのが憂鬱になってしまう、、、

人と会うのがつらい

ずっと薬を使い続けることを望んではいない、、、

アトピー 薬

 

そのようなお悩みや傾向のある方にぜひ体感していただきたい施術法です。
ちょっとしたことでも積み重なるとストレスになってしまいますよね。
当院では皆さんのアレルギー/過敏症でのお悩みを解消し、笑顔で過ごせる日々を取り戻すお手伝いをさせていただいています。

アラテックセラピーリブラメソッドでは、アトピー性皮膚炎も施術対象となっております。相談フォーム、お電話で直接お問い合わせください。

施術例・関連リンク

アラテックセラピーとは

小児鍼施術

リブラメソッドとは

アレルギーと栄養

食物アレルギー

糖への過敏症

小麦アレルギー

牛乳アレルギー

卵アレルギー

ピーナッツアレルギー

金属アレルギーについて

え!?保湿スキンケアは間違いだらけ

アトピー性皮膚炎とステロイドの話

アトピー性皮膚炎の施術例①(成人男性)

アトピー性皮膚炎の施術例②(幼児)

アトピー性皮膚炎の施術例③(成人女性)

アトピー性皮膚炎の施術例④(幼児)

アトピー性皮膚炎の施術例⑤(成人男性)

花粉症

花粉症の施術例①

花粉症の施術例②

化学物質過敏症

蕁麻疹について

子どもによく見られるアレルギー

五行学説とは

臓象学説とは

気・血・水(津液)とは

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