精液(精子)過敏症
なかなか目にしないキーワードだと思いますが、この問題のことを知らずに悩まれている方もいらっしゃいます。知っていれば誰かを助けることに繋がるかもしれません。思い当たる方はもちろん、そうでない方も1度はご覧いただければと思います。
どんな症状?
主に女性側へ現れる反応となりますが、性行為中や性交渉を行った後に、膣(下腹部)に痒み・痛み・腫れ・不正出血が見られたり、その他皮膚に赤みなどの炎症徴候が現れたり、翌日にかけてなんとなく倦怠感や風邪を引いたかのような症状が出てしまう方が少なからずいます。
特に
「避妊具を用いて精液(精子)が身体に直接触れないようした時は問題がないが、そうでない時には該当するような症状があるかもしれない」
このような自覚がある方は、
・精液血漿過敏症
・精液アレルギー
・精子過敏症
・精子アレルギー
と言われる状態に知らないうちになってしまっている可能性があるのです(どれも同じ状況のことです。以後、精子過敏症)。
本来無害であっていいはずの精液(精子)に対して、身体がエラー反応を引き起こしてしまっているということです。
(→エラー反応に関しては、アレルギー/過敏症の治療を参照)
まだあまり一般的には知られていませんが、この症状で悩まれている方は必ずいます。
「女性の十数パーセントはこれに該当する」というような報告もありますが、性の問題はこと日本に関して、なおさらオープンに話をされることもないため、実際はもっと多くの女性が関連するさまざまな症状で悩まれているかもしれません。
そして、この精子過敏症については不妊症の原因にもなり得るということがわかっています。
(えっ!?そんなことあるの?)
と思われるかもしれませんね。
ですが、この精子過敏症は言い換えると、なんらかの理由で「身体が精子を正しく受け入れられない状態になってしまっている」ということですから、妊娠に必要な受精までの流れの中でなんらかの不具合が生じていると考えることができるのです。
今回、なぜこのような内容のブログを書いているのかというと、当院で扱っている「アラテックセラピー」でこの1年間の間に精子過敏症の方の施術を2例ですが行う機会があったからです。
精子過敏症の施術例
症例を交えてお伝えしていきます。
1人はYさん40代女性で昨年9月に、もう1人はMさん30代女性で今年4月に施術を行いました。
どちらの方も元々は他の理由で当院を利用されていました。
お2人に共通していたのは、
- 冒頭に挙げたような症状の自覚があったこと
- 不妊治療中だったこと
- 明らかな器質的(構造的)な問題の見つからない不妊症だったこと
でした。1の症状は、性交後の下腹部痛、微小出血、翌日の倦怠感や風邪のような不調があることでした。
別件での通院中に不妊治療のことを相談してくださったので話が進むことになりました。
元々アラテックセラピーの海外臨床例では、精子過敏症に対して一定の効果が出せているということを耳にしていましたので、その説明をさせてもらったところ、お2人共「受けてみたい」という意志表明をしてくださいました。
手順通りに評価を行うと、やはりお2人ともに「精子に弱い」という精子に対する過敏反応を示唆する結果が出ました。
アラテックセラピーでは、この精子に対する過敏反応を自律神経の調整を行うことで修正することができるのです。
施術自体は他のアレルギー・過敏症症状に対するアプローチと同じになりますので、背中のツボを刺激するのみです。痛みも出ませんし、腕と背中以外には触れません。
精子過敏症に関するアラテックセラピーでの施術回数はそれぞれはじめの1回だけでした。
施術後の自覚症状は?
その後の来院時に、自覚症状をうかがったところ、お2人共に「(性行為後の)不快感が無くなった」と不思議がっていました。
さらにそれからしばらくして、施術をした私自身も驚くことが起きました。
先ずは今年4月に施術を受けたMさん、精子過敏症に対する施術後も当院で身体のメンテナンスを続けられていましたが、過敏症施術から約2ヶ月後の6月に「生理がこないと思っていたら妊娠していました」と報告をくれました。
一方昨年9月に施術を受けられたYさんは、施術効果の報告後しばらく来院がなく連絡もなかったのですが、同じく今年6月末にメールを送ってきてきてくれました。「実は妊娠していてこの9月が予定日なんです、体調があまり良くなかったこともあってなかなか連絡できませんでした」と。
驚きますよね。
まだ当院では2例だけとはいえ、精子過敏症から解放された後に妊娠できたという方が確かにいるということです。
同時に不妊治療も行われていましたので、当然その結果の妊娠だったという考えもあります。
ですが、性交後の身体反応の変化は患者さん自身が1番実感してくださったはずですし、どちらの方も精子過敏症を克服した2.3ヵ月後に妊娠が確認されているのはまぎれもない事実です。
現在妊活中の方へ
妊娠を望まれている方には色々な選択肢があります。何を選ぶのもご本人、ご夫婦の自由です。
その上で私は
- 精子過敏症と思われる症状がある
- 妊活中である
- 不妊の原因が器質的(構造的)なものではないと言われている
- 各種感染症が無いこと(クラミジアなど)
上記の状況が揃っている方々には特に、アラテックセラピーを1度受けてみて欲しいと考えています。
もちろん妊活中でなくても同じような症状でお悩みの方には受けていただきたいと思いますし、「不妊治療はこれから」と考えられているような方でも精子過敏症に思い当たる節のある方には受けてみていただきたいのです。
あなたの可能性を拡げるお手伝いが出来たなら、治療家としてこの上ない喜びです。
アラテックセラピーや精子過敏症に関する質問などはお気軽にメールでお問い合わせください!
補足
避妊具であるコンドームに関してになりますが、主に「天然ゴムラテックス」や「ポリウレタン」で出来ています。
精子に対する過敏症ではなく、これらの成分や製品に過敏反応を引き起こしてしまう方もいらっしゃいます。
症状としては使用後の痒みや赤み、カブレ、湿疹、不快感などの発生です。
アラテックセラピーは、「精子過敏症」と同様に「天然ゴムラテックス」「ポリウレタン」に対する過敏反応にも対応することが出来ます。
ご相談ください。