アレルギーの克服(症状の緩和やコントロール)をしていくためには、医療機関で医師が施す投薬等の一般的なアレルギー対策法以外にも、必要になってくるポイントが複数存在します。
特に「なるべくなら薬には頼りたくない」と考えられる方々にとっては、ライフスタイルの改善、日常での意識改革やセルフケアの方法と継続が非常に重要です。
このポストでは、アレルギー/過敏症の専門鍼灸院でもある当院が、アレルギー症状の緩和やコントロールを目的に、アラテックセラピーの施術以外で患者さんへ指導させていただく内容を紹介したいと思います。
個人差はありますが、これまで意識してこなかった項目が複数あるような方は、以下の内容を長期間実践いただくことで症状の変化を感じられることでしょう。
反対にこれらの内容を3か月以上実践しても症状になんら変化がみられないようなケースでは、やはり根本的な身体のシステムエラーを修正しておく必要性が出てきますので、必要であれば当院で受けられるアラテックセラピーをご利用ください。
Contents
- 1 「治す!」と自ら決めること
- 2 アレルギーとは何か?
- 3 過敏症とは何か?
- 4 アレルギー・過敏症症状の本質は??
- 5 アレルギー・過敏症の克服に必要なのは炎症のコントロール!
- 6 ライフスタイルの改善・日常の意識改革
「治す!」と自ら決めること
この意志の力というものが、実はかなり重要です。
あなた自身(アレルギーに悩む当事者)が心の底から「治す!」と自らに言い聞かせていないと、アレルギー/過敏症のコントロールは成功しにくくなります。
「親(知人等)から治した方が良いと言われたから挑戦する」
程度のモチベーションでは、〝人にやらされている努力〟となってしまいますし、
「無意識だったとしても、(どうせ治らない)と心の底では思ってしまっている」
ようなメンタリティだと、〝潜在的に可能性を抑えつけてしまっている状態〟となってしまいます。
自らの強い意志が根底に無く、例に挙げたような心と身体の足並みが揃っていない状態でのチャレンジが上手く運んでくれるはずもないわけです。
本気で症状の克服にチャレンジするならば、
「自分は絶対治る!良くなるっ!」
と自身の身体の力を信じ、ゴールを定めるところから始めてください。
「心身一如」
心と体は密接に繋がり、間違いなく影響し合います。
良くなるためには、あなたの「意志の力」を最大限に発揮して臨むことがとても大切になってきます。
アレルギーとは何か?
アレルギー(allergy)とは、免疫系が特定の物質(アレルゲン)に対して過剰に反応することで引き起こされる症状や状態のことを指します。通常、免疫系は体内に侵入した病原体(ウイルスや細菌など)を攻撃して体を守ってくれていますが、アレルギーの場合には、本来無害なはずの物質に対しても過剰な反応を示し攻撃してしまうようになり、さまざまな症状が引き起こされてしまいます。
過敏症とは何か?
過敏症(hypersensitivity)は、一般には反応が起こらない程度の刺激やアレルゲンとの接触に対して、身体の免疫系以外のシステムが過剰に反応してしまう状態を指します。現在のところ過敏症は、アレルギーの同義語程度にあまり区別されることなく用いられているような状況ではありますが、厳密にはアレルギーと過敏症は発生機序が異なっています。認識の混同が生じてしまっている背景には医学的にも過敏症への理解が進んでいないということが影響しています。
どちらも似た症状を呈するため、確かに症状からは区別がしにくくはありますが、免疫系が反応していればアレルギー、免疫系以外が反応していれば過敏症と捉えておくと良いでしょう。
アレルギー(免疫系が関与)であろうと過敏症(免疫系以外が関与)であろうと症状が現れてしまうのは、本来備わっているいずれかの身体防御システムが何かをきっかけに誤作動を起こすようになってしまったエラー反応(システムエラー)によるものだという点がポイントです。
アレルギー・過敏症症状の本質は??
アレルギー症状の本質は炎症反応と言えます。免疫システムがアレルゲン(本来無害な物質)に対して過剰に反応(エラー反応)することで症状が引き起こされるのです。
このエラー反応により、マスト細胞からヒスタミンやセロトニンなどの化学物質が放出され、周囲の細胞を刺激し、炎症(症状)を引き起こしているわけです。
一方で、過敏症症状の本質は?と言う話になってくると少し複雑になってきます。なぜなら、アレルギーと同じように炎症反応を主体とした症状が見られることもあるのですが、その他にも気分障害や倦怠感、疲労や眠気等といった、免疫システム以外のその他の身体システムがアレルゲン(本来無害な物質)に対して過剰に反応(エラー反応)することで症状が引き起こされてくるからです。
これら過敏症によって引き起こされ得る多岐に渡る症状への理解については少し難しい部分があるので、アレルギー/過敏症=だいたい炎症症状 なんだとご理解ください。
アレルギー・過敏症の克服に必要なのは炎症のコントロール!
さて、ここまでの流れから、アレルギー・過敏症状を抑えるためには、身体の炎症症状とどう向き合うか?がポイントになることがお分かりいただけたと思います。
実態が炎症反応だから、病院では抗アレルギー薬やステロイド薬(抗炎症作用を持つ)などが処方され、炎症を抑制しようとするわけですね。
しかしながら、このポストではなるべく薬などには頼らずに症状の克服を目指したい方向けの内容を取りあげていきます。
確かに薬で強い症状を抑えることはできるかもしれません。ですが、その効果の多くは一時的なもので、またアレルゲン等に触れた際には症状の再発がついて回ります。
- 体内の炎症を抑え込む力
- 炎症が起こりにくい身体作り
この2点が大事になってくることがお分かりいただけたと思います。
そのため、以降お伝えする内容は、①体内の炎症を抑え込む力と②炎症が起こりにくい身体作りのために必要なこととなってきます。
ライフスタイルの改善・日常の意識改革
アレルギー・過敏症を克服しようとするならば、生活習慣の見直しが必要になってきます。
- 食事内容の最適化: 栄養バランスの良い食事を心がけ、身体機能をサポートする。
- 十分な睡眠: 体調を整えるために、十分な睡眠を確保する。
- 適度な運動: 適度な運動を行い、体力と免疫力を高める。
- コルチゾールを味方につける: 天然ステロイドが働きやすい環境を整える。
- ストレス管理: 過剰なストレスはあらゆる体調不良の敵となります。
- アレルゲンの回避: アレルギーの原因となる物質を避けるために、環境を整える(例:ダニ対策、空気清浄機の使用など)。
これらの詳細を順に見ていきましょう。
食事内容の最適化
アレルギー/過敏症の対策として、食事内容において意識していきたい点は、
- タンパク質、ビタミン、ミネラル摂取のバランス
- オメガ3脂肪酸摂取量の強化
- 発酵食品を利用する
- 抗酸化作用が期待できる食材を摂る
- 食物繊維をしっかり摂る
- 本当は摂り過ぎないで欲しい食品
になります。
これらを意識することで身体の免疫システムが強化され、炎症を抑える力が高まってきます。
以下に具体的な内容を紹介します。
タンパク質・ビタミン・ミネラル摂取のバランス
タンパク質・ビタミン・ミネラルがバランスよく体内にあるかどうかということは炎症を抑えるという点においても非常に重要です。
ごく簡単に言えば、これらの栄養素は、体内の様々な代謝活動に利用されるものであり、アレルギー/過敏症の各炎症症状に対しては、言うなれば消炎剤の素として消耗されるものでもあるからです。
身体で炎症症状が起こっているのに、消炎剤の素となる栄養素が不足している状態であると、炎症症状と言うのは治まりにくくなってしまうわけです。
大事なことは、「なんでもいいから食べときゃいい」とか「カロリー摂っておけば大丈夫」という様な事では決してなく、タンパク質・ビタミン類・ミネラル類が個々の身体に適切な形で供給されているかどうか?だという点です。
現代人は、カロリーは摂れていても栄養のバランスが崩れてしまっているという食事内容になっている方が潜在的に多くいます。
アレルギー/過敏症はもちろんのことながら、その他の疾患やメンタル不調などにも共通して言えることになりますので、栄養バランスが大事だということを具体的に知っておいてください。
もしかしたら、「栄養のバランスがきちんととれているかはどうやって判断するの?」という疑問が出てくるかもしれません。
当院では客観的なデータの一つとして、提携クリニックの医師による分子栄養学観点からのアドバイスを提供させていただいております。
[☆こちらもご参照ください=アレルギー症状の克服に役立つ検査]
タンパク質の体内での働き
タンパク質は、私たちの体にとって非常に重要な栄養素です。以下は、タンパク質の主な働きです。
- 体の構成材料: 筋肉、臓器、皮膚、粘膜、血液成分、髪、爪など、体のあらゆる組織を作る材料となります。
- 酵素やホルモンの生成: 代謝を助ける酵素や、体の機能を調整するホルモンの材料となります。
- 免疫機能のサポート: 抗体や免疫細胞の生成に関与し、体を病気から守ります。
- 物質の運搬: ヘモグロビンやアルブミンなどのタンパク質は、酸素や栄養素を体内で運搬します。
- エネルギー源: 必要に応じて、エネルギー源として利用されます。
タンパク質は、食事から摂取する必要があり、特に魚、卵、大豆製品、肉類、乳製品に多く含まれています。が、当院では、毛細血管コンディションの管理面からも、肉類および乳製品は多くなり過ぎない方が良いという考えです。
タンパク質の1日摂取量目安は【日本人の食事摂取基準(2020年版)】によれば、年齢区分で(男性15~64歳の推奨量は65g/日)のようにを定められていますが、体質や体重、代謝率など個々によって異なる要素が考慮されておらず、多くの人にはマッチするのかもしれませんが、それが合わない方も出やすくなってしまいます。
当院では分子栄養学の観点からアドバイスさせていただいておりますので、1日あたり体重1㎏につき1.0~1.5gのタンパク質摂取を推奨しています。例えば体重60㎏の方の場合は、1日の摂取目安が60g~90gと言うことになり、これをベースに症状や運動量などを鑑みて調整していくと良いでしょう。
ビタミンの体内での働き
ビタミンは、体内で多くの重要な役割を果たす微量栄養素です。以下に、主要なビタミンの働きを紹介します。
脂溶性ビタミン
- ビタミンA: 目の健康を保ち、皮膚や粘膜の維持、免疫機能の向上に役立ちます。
- ビタミンD: 骨の健康を保ち、カルシウムの吸収を助けます。また、免疫機能の調整にも関与します。
- ビタミンE: 強力な抗酸化作用を持ち、細胞膜を保護し、老化を防ぎます。
- ビタミンK: 血液の凝固を助け、骨の健康を保つ役割を果たします。
水溶性ビタミン
- ビタミンB1(チアミン): 糖質の代謝を助け、エネルギー生成に関与します。神経機能の維持にも重要です。
- ビタミンB2(リボフラビン): 脂質やタンパク質の代謝を助け、皮膚や粘膜の健康を保ちます。
- ビタミンB6: タンパク質の代謝を助け、神経伝達物質の合成に関与します。
- ビタミンB12: 赤血球の生成を助け、神経機能の維持に重要です。
- ナイアシン(ビタミンB3): エネルギー生成に関与し、皮膚や神経の健康を保ちます。
- 葉酸: DNAの合成や赤血球の生成に関与し、特に妊娠中の女性に重要です。
- ビタミンC: 強力な抗酸化作用を持ち、免疫機能を高め、コラーゲンの生成を助けます。
ビタミンはV.Dを除き体内で合成ができないため、食事からの摂取が欠かせない栄養素です。
ミネラルの体内での働き
ミネラルは、私たちの体にとって非常に重要な栄養素です。以下は、ミネラルの主な働きです。
- 骨や歯の構成: カルシウムやリンは、骨や歯の形成に重要です。
- 体液のバランス調整: ナトリウムやカリウムは、体液の浸透圧を調整し、細胞の正常な機能を保ちます。
- 酸素の運搬: 鉄は、ヘモグロビンの構成成分として、酸素を体内に運搬します。
- 酵素の活性化: 亜鉛やマグネシウムは、体内の酵素の働きを助け、代謝をサポートします。
- 神経伝達と筋肉の収縮: カルシウムやマグネシウムは、神経伝達や筋肉の収縮に関与しています。
ミネラルは体内で生成されないため、食事から摂取する必要があります。バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
オメガ3脂肪酸摂取量の強化
オメガ3脂肪酸には、炎症を抑制する抗炎症作用があることが知られています。
脂肪酸=油という事になりますが、ことオメガ3脂肪酸に限っては現代人に特に不足しがちな脂肪酸であり、意識的に摂取をしてその他のオメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸とのバランスを整える意識が必要です。
日々の食事に少しずつ加えていきましょう。
魚介類を積極的に摂取する
青魚(サバ、サンマ、イワシ、マグロなど)には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。これらの魚を週に1~2回以上食べることを目指しましょう。
良質な蛋白質やミネラルの摂取も期待できるため、魚食は特におススメです。
特定の植物油を利用する
えごま油やアマニ油には、α-リノレン酸が豊富に含まれておりオメガ3脂肪酸に分類される油になります。これらの油は加熱に弱いため、サラダや和え物にかけて生のまま定期的に摂取するのがおススメです。
ナッツ類を取り入れる
くるみやチアシードなどのナッツ類にも、α-リノレン酸が含まれており、間食やサラダのトッピングなどに利用すると、手軽にオメガ3脂肪酸を摂取できます。
食事の脂バランスを考える
意識することなく食事をしていると、現代人はオメガ6脂肪酸の摂取量が極端に多くなりがちとなります。オメガ6脂肪酸もオメガ3脂肪酸と同じく必須脂肪酸(摂取する必要のある脂肪酸)に分類されるものですが、摂取量が多過ぎても炎症を引き起こしてしまったり、血管系へネガティブに働きかけてしまうことがあるため注意が必要なのです。
やはりバランスが大事で、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の理想的な摂取バランスは4:1と言われています。日々摂取量を計って調節するようなことは現実的ではありませんが、オメガ6脂肪酸は多くの加工食品や植物油に含まれているため、揚げ物、炒め物、加工食品(各種油、ショートニング、バター)、スナック菓子類、肉類(特に鶏肉と豚肉)の摂取量には注意を払い、オメガ3脂肪酸(本ポスト内参照)の摂取量を意識的に増やすようにしましょう。
サプリメントの活用
魚やオメガ3脂肪酸含有の植物油などを十分に摂取できない場合は、オメガ3脂肪酸のサプリメントを利用することも一つの手段になります。
ですが、過剰摂取にならないように注意が必要になりますし、添加物の問題などサプリメント製品は玉石混合であることが否めません。
当院では、食事から各種栄養素を摂っていただくことを基本とし、サプリメントの使用は致し方ない理由がある場合に限っての最終手段という位置づけとしています。
発酵食品を利用する
発酵食品が腸内環境を整え免疫力を高めてくれる、というのは皆さんご存知かと思います、確かにアレルギー/過敏症の克服のためにも一番意識をしていただきたいのは腸内環境への働きかけです。
しかしながら、発酵食品の利点はそれだけにとどまりません、以下で生理的な作用をきちんと理解した上で日々の食事に積極的に発酵食品を利用していきましょう!
砂糖やジャムはなるべく使わずに、フルーツやオリゴ糖での味付けをするのが良いですよ。
- 腸内環境の改善
発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富に含まれています。これらの善玉菌は腸内のバランスを整え、悪玉菌の増殖を抑える効果があります。腸内環境が整うことで、消化吸収がスムーズになり、便通が改善されます。
- 免疫力の向上
腸は体内で最も免疫細胞が多く存在する場所です。発酵食品を摂取することで、腸内の善玉菌が増え、免疫細胞が活性化されます。これにより、風邪や感染症などに対する抵抗力が高まります。
- 消化・吸収の向上
発酵食品には、消化酵素が含まれており、食べ物の消化と栄養素の吸収を助けてくれます。これにより、栄養不足や消化不良を防ぐことができ、栄養効率が高まります。
- 体脂肪燃焼・代謝アップ
発酵食品に含まれる乳酸菌は、代謝を活性化させる効果があります。これにより、体脂肪の燃焼が促進され、エネルギーの利用効率が向上します。
- ストレスの軽減
発酵食品には、GABA(ギャバ)という物質が含まれており、これが脳の神経伝達物質として働き、ストレスを軽減する効果や睡眠の質の向上が期待できます。
- 美肌効果
発酵食品には、ビタミンやアミノ酸が豊富に含まれており、これらの成分が肌の健康をサポートします。特に、発酵過程で生成されるビタミンB群やアミノ酸は、肌のハリや弾力を保つのに役立ちます。アレルギー/過敏症の症状が肌(皮膚)に現れてしまうような場合には、より積極的に意識したいところです。
日本人に合う発酵食品
以下の食品は、長い歴史の中で日本人の食習慣に根付いており、体質の遺伝的にも日本人と相性の良いものとなります。ですので、腸内環境を整えようとするならば、発酵食品も日本食から選んでいくようにした方がより効果的といえるでしょう。
- 納豆
納豆は、大豆を納豆菌で発酵させた食品で、腸内の善玉菌を増やす効果があります。納豆菌には腸内環境を整え、免疫力を高める働きがあります。
- 味噌
味噌は、大豆を麹菌、乳酸菌、酵母で発酵させた調味料です。味噌汁などで日常的に摂取することで、豊富に含まれている乳酸菌やビタミンが腸内環境を整えるのに役立ちます。
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ぬか漬け
ぬか漬けは、米ぬかを使って野菜を発酵させた漬物です。乳酸菌が豊富に含まれており、腸内の善玉菌を増やす効果があります。
- 酢
酢は、米や果物を発酵させて作られる調味料で、酢酸菌が含まれています。酢酸菌には腸内環境を整え、消化を助ける効果があります。
- 甘酒
甘酒は、米麹を発酵させて作られる飲み物で、ビタミンB群やアミノ酸が豊富に含まれています。腸内環境を整え、エネルギー代謝をサポートします。
- 醤油
醤油は、大豆と小麦を麹菌で発酵させた調味料で、料理に幅広く使われます。発酵過程で生成されるアミノ酸やペプチドが腸内環境を整える効果があります。
腸内環境の個人差について
人によって、体質改善効果の実感できる発酵食品は異なります。誰かに効果のあった発酵食品がそのままあなたにも効果を出してくれるかというと、実際にはそんなに簡単な話ではないのです。
その個人差が出てしまう理由についてもきちんと理解をし、あなた自身にあった発酵食品やその摂取バランスを探ってみてください。
- 腸内フローラの違い
各個人の腸内には、数百種類以上の細菌が存在し、その組成は人それぞれ異なります。腸内フローラのバランスが異なるため、同じ発酵食品を同じように摂取しても、効果の感じ方が異なることがあります。
- 遺伝的要因
遺伝的な要因も、発酵食品の効果に影響を与えることがあります。例えば、乳糖不耐症の人はヨーグルト等の乳製品を摂取すると消化不良を起こすことがありますが、不耐症がない人には問題が発生しません。
- 生活習慣と食生活
日常の食生活や生活習慣も、発酵食品の効果に影響を与えます。例えば、普段からバランスの取れた食事をしている人と、そうでない人では、発酵食品摂取の効果の感じ方が異なることがあります。
- 健康状態
個々の健康状態も、発酵食品の効果に影響を与えます。例えば、免疫力が低下している人や、特定の疾患(特に消化器系の問題)を抱えているような方は、発酵食品の効果を感じにくい場合があります。
- 摂取量と頻度
発酵食品の摂取量や頻度も効果に影響を与えます。適切な量を継続的に摂取することで効果を感じやすくなりますが、摂取量が少なかったり、不定期に摂取するような場合は効果を感じにくいことがあります。また、単純にたくさん摂れば良いというものでもないため、バランスを考慮するようにしてください。
- 特定の食物の影響
個人差が非常に出る部分となりますが、人によっては小麦であったりスパイス類であったり、油であったり(どんな食品でも)、特定の食品を摂取すると消化器系の不具合が発生してしまう人がいます。これこそが過敏症の症状と言えるのですが、日常よく摂取するものにこのような反応が出てしまう方の場合、摂取を避けるようにするかアラテックセラピーで過敏反応の修正を行なうようにしておかないと、普段から消化器系にネガティブな影響が出ることになってしまうため、腸内環境は整いにくくなります。
これらの要因が絡むことによって、発酵食品の効果にも個人差が出てきます。ご自身の身体の反応を確認しながら、自らに合った食品、摂取量、摂取頻度を見つけていくことが大事です。
院長渋谷腸内フローラは、食習慣により変化していくことがわかっています。普段から肉食の多い人は肉食に適した腸内環境に、菜食傾向の人は菜食に適した腸内環境に時間をかけて腸内細菌の勢力図が移り変わっていくわけです。
普段食べ慣れないものを口にした後、お腹の調子が悪くなってしまったような経験はないでしょうか?
あのような反応は、腸内環境(腸内細菌叢)の偏りにより、腸そのものに得手不得手が現れている状態という事になるんです。
抗酸化作用が期待できる食材を摂る
抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素を中和し、細胞の酸化ストレスを保護/軽減する働きです。活性酸素が多く発生し続けてしまうと、それが私たちの細胞を傷つけ老化や病気の原因となってしまうことがあるのです。
抗酸化物質とは、これら活性酸素の影響を無害化してくれる抗酸化作用を持つ物質のことを指し、酸化による細胞ダメージを減らし細胞の健康を保つのに役立ちます。ここでは代表的な抗酸化物質とそれを持つ食品をいくつか挙げておきます。
- ビタミンC
強力な抗酸化作用を持ち、免疫機能をサポートします。柑橘類、キウイ、ブロッコリー、ほうれん草、ケール、ピーマンなどに多く含まれています。
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ビタミンE
細胞膜を保護し、酸化ストレスを軽減します。ナッツ類、種子、ほうれん草などに含まれています。 -
アントシアニン
体内の炎症を軽減する抗炎症特性も持っています。慢性的な炎症が原因である様々な疾患の予防や症状の緩和に役立ちます。ブルーベリー(ベリー類)、ナスなどに含まれています。 -
カロテノイド
β-カロテン、ルテイン、リコピンなどがあり、抗酸化作用を持ちます。ニンジン、ブロッコリー、トマト、カボチャ、ほうれん草、ケールなどに含まれています。 -
ポリフェノール
フラボノイド、カテキン、レスベラトロール、ケルセチンなどがあり、抗酸化作用を持ちます。緑茶、赤ワイン、ダークチョコレート、ブロッコリー、ほうれん草、ケールなどに含まれています。
食物繊維もしっかり摂る
アレルギー/過敏症の克服と食物繊維の関係性については、食物繊維が腸内環境を整えるだけでなく、免疫機能の安定化にも働きかけ、アレルギー/過敏症症状の軽減に役立つことからも重要と言えます。
腸内環境と免疫機能
腸内には免疫細胞の約70%が集中しており、腸内環境が免疫機能に大きな影響を与えます。食物繊維を摂取することで、腸内の善玉菌が増え、腸内環境が整います。これにより、免疫機能が正常に働き、アレルギー反応が軽減されることが報告されています。
短鎖脂肪酸の生成
食物繊維は腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸など)が生成されます。短鎖脂肪酸は、免疫細胞の一種である制御性T細胞の働きを促進し、アレルギー反応を抑える効果があります。
食物繊維の種類と効果
水溶性食物繊維:水に溶ける性質を持ち、腸内で発酵しやすい食物繊維です。短鎖脂肪酸の生成が促進されて腸内環境が整います。
不溶性食物繊維:水に溶けにくい性質を持ち、腸内で膨らんで便通を促進させる食物繊維です。腸内の老廃物が排出されやすくなります。
食物繊維が豊富な食品
水溶性食物繊維:
オートミール、大麦、こんにゃく芋、大豆、じゃが芋、里芋、納豆、さといも、オクラ、モロヘイヤ、海苔、わかめ、昆布、メカブ、寒天、アボカド、柑橘類、イチゴなど。
不溶性食物繊維:
玄米、そば粉、こんにゃく、さつまいも、ごぼう、大豆、グリーンピース、ワラビ、ゼンマイ、たけのこ、ほうれん草、にんじん、きくらげ、しめじ、エリンギ、えのき茸、干し椎茸、切干大根、シソ、生姜など。
本当は摂り過ぎないで欲しい食品
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砂糖
砂糖には実は炎症助長作用があります。どういうことかと言うと、炎症症状がある人が砂糖を必要以上に摂取していると、火(アレルギー/過敏症)に薪をくべる様な影響が出てしまいなかなか症状が治まらなくなってきてしまうのです。その具体的な理由は以下です。1.血糖値の急上昇: 砂糖を摂取すると血糖値が急上昇し、インスリンの分泌が促進されます。これにより、体内で炎症を引き起こすサイトカインが増加することがあります。また、高血糖状態ではコルチゾールの分泌が促進され、炎症反応にこそ使われて欲しい抗炎症作用を持つホルモンが無駄に消耗されてしまう事にも繋がります。
2.糖化反応: 砂糖が体内のタンパク質と結びつくことで、終末糖化産物(AGEs)が生成されます。AGEsは細胞にダメージを与え、炎症を引き起こす原因となります。
3.腸内環境の変化: 砂糖の過剰摂取は腸内細菌のバランスを乱し、炎症を引き起こす細菌が増殖することがあります。これにより、腸の粘膜が損傷し、腸壁の透過性が高まることで炎症が促進されます。
4.活性酸素の増加: 砂糖の代謝過程で活性酸素が生成され、これが細胞を酸化させることで炎症を引き起こすことがあります。
5. AGESの過剰生成: AGESは体内で糖とタンパク質が結びつくことで生成されますが、大量に生成されてしまうと体内の炎症反応や酸化ストレスを助長し細胞や組織にダメージを与え、血管や皮膚の弾力性の低下を招くことがわかっています。
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小麦
アレルギー/過敏症の方々には、小麦にも気をつけて欲しい点がいくつかあります。以下のような理由から腸内環境が乱れる、あるいは直接的なアレルギー反応が現れてしまうことがあるためです。1.グルテンの影響: 小麦に含まれるグルテンは、グリアジンとグルテニンというタンパク質から構成されています。グリアジンは腸の上皮細胞に結合し、ゾヌリンというタンパク質の放出を促進します。ゾヌリンは腸のタイトジャンクション(細胞間の隙間)を緩め、腸壁に備わる物質通過バリアを弱めてしまうわけです。これにより、本来通過しない未消化の食物粒子や有害物質が腸壁を通過し血流に入り込み、免疫系がこれを異物と認識して腸の炎症(リーキーガット症候群)を引き起こします。
2.自己免疫反応: セリアック病などの自己免疫疾患では、グルテンに対する過剰な免疫反応が引き起こされ、腸の粘膜がダメージを受け炎症が生じます。
3.ポストハーベストの影響:これは輸入小麦に対して用いられる農薬(殺虫剤や殺菌剤、防カビ剤)処置のことを指します。国内では収穫後の農産物へのこれら農薬散布は禁止されているのですが、輸入小麦は輸送途中の管理、害虫被害対策として収穫後の農産物へポストハーベストが行われています。それゆえに、輸入小麦には残留農薬の影響が出やすく、農薬の種類によっては、発がん性、腸内細菌へのダメージ、アレルギー反応のリスクが心配されるため、輸入小麦に関しては長期・大量摂取への注意が必要です。
院長渋谷一般的に流通している物は圧倒的に輸入小麦製品になってしまいますよね。 -
乳製品
乳製品にも炎症を助長するメカニズムが存在します。また、牛乳アレルギーや不耐症の方が多いことからも想像できるように、残念ながら牛乳に含まれる成分の中には人の消化器系と相性が良いとは言えないものが含まれています。1.消化不良: 乳製品に含まれる乳糖やα-カゼインは、一部の人にとって消化が難しい成分です。乳糖不耐症の人は、乳糖を適切に消化できず、腸内でガスや下痢、腹痛を引き起こします。これにより、 腸内環境が悪化し、炎症が助長されることがあります。
2. 免疫反応: 乳製品に含まれるα-カゼインは、アレルゲンとなることがあります。アレルギー反応が起こると、免疫系が過剰に反応し、炎症反応を引き起こします。
3. ホルモンバランスの乱れ: 工業的に生産された乳製品には、成長ホルモンや抗生物質が含まれていることがあります。これらの成分が体内に取り込まれると、ホルモンバランスが乱れ、炎症を引き起こす可能性があります。
4. 脂肪の影響: 牛乳に含まれる脂肪分は高く、中でも乳製品に含まれる飽和脂肪酸は過剰摂取により体内で炎症性サイトカインの生成を促進し慢性炎症の引き金となってしまう可能性があります。
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加工肉
加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)が、炎症症状と関連のあることがわかってきています。1.炎症反応: 加工肉を多く摂取することで、C反応性タンパク質(CRP)などの炎症反応の指標(マーカー)が上昇することがわかっています。
2.物質への反応: 加工肉には、保存料や食品添加物が多く含まれており、人によってはアレルゲンとなるような物質が含まれます。
3.化合物の影響: 加工肉を高温で調理する際に発生するヘテロサイクリックアミン(HCA)などの化合物が、炎症や発がん性のリスクを高める可能性があります。
- 炭酸
炭酸飲料には副交感神経を優位にさせる作用があります。副交感神経が過剰に優位になり過度にリラックスした状態になると様々なアレルギー症状も出やすくなってしまうため気をつけましょう。1.炭酸自体のアレルギー:炭酸そのものに対するアレルギーは非常に稀と言われていますが、過敏症である可能性は捨てきれません。とくに、炭酸飲料を飲んだ後にくしゃみや湿疹などの決まった症状がほぼ出るというケースでは過敏症である可能性がより高まってきます。
2.保存料や添加物:炭酸飲料にはしばしば保存料や人工甘味料などの添加物が含まれており、これらがアレルギー反応を引き起こすことがあります。特に、アスパルテームや黄色4号などの成分は、一部の人々にアレルギー反応を引き起こすことが知られています。過敏症も同様です。
3.気管支への影響:炭酸飲料は咽頭粘膜に刺激を与え、喘息症状を悪化させる可能性があります。特に、炭酸飲料を多量に摂取することで、喘息の有症率が高まるという報告もあります。これらは炭酸に対する過敏反応であるケースも、副交感神経優位状態が咽頭や気道粘膜のむくみを誘発しているケースも考えられます。
- 食品添加物
日本で流通する食品に使用されている食品添加物は、基本的に通常の摂取量では健康に害の出る心配は無い物として扱われています。
しかしながら、以下にも記した通り、添加物そのものにアレルギー・過敏症反応を起こしてしまうような方もいらっしゃいます。
また、物質に対する感受性は人それぞれ異なりますので、たとえ添加量の基準を満たされている食品であったとしても、ネガティブな心身反応が出てしまうケースは存在します。1.アレルギー反応: そもそも一部の食品添加物に対して、アレルギー反応を引き起こすことがあります。特に、保存料や着色料が原因となることが多いです。代表的なものは
✓安息香酸ナトリウムは喘息やアトピー性皮膚炎
✓亜硫酸塩は喘息や蕁麻疹
✓黄色4号(タートラジン)は喘息や蕁麻疹
✓コチニール色素は喘息、鼻炎、結膜炎、皮膚炎、蕁麻疹 など2.腸内環境の悪化: 一部の添加物の過剰摂取は腸内フローラバランスを乱したり、腸粘膜に炎症を引き起こすことがあります。保存料に備わる抗菌作用などが腸内細菌にも影響を与えてしまうのです。
3.味覚の変化: 長期間にわたって添加物を摂取していると、自然な味に対する味覚が鈍くなってしまうことがあります。4.活性酸素の発生: 一部の添加物(保存料、防腐剤、着色料、酸化防止剤)は体内で活性酸素を発生させることがあり、これが細胞にダメージを与える可能性を指摘されています。
院長渋谷現代では完全に添加物を避けて生活するのはなかなかに難しくなっています、ですが天然成分でないものは本来身体には必要のない物となるので、アレルギー/過敏症にお悩みの方は特にインスタント食品、加工食品に頼り切った食生活とならないようにできるのがより良いでしょう。
十分な睡眠
炎症症状を効率よく抑えるためには、質の高い睡眠が非常に重要となってきます。なぜならば、身体の回復作用は寝ている時にこそ発揮しやすくなるからです。
睡眠の質を高めるために重要なポイントをいくつか知っておきましょう。
- 規則正しい睡眠スケジュール:
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起き朝日を浴びるようにすることで、体内時計を整えやすくなり、結果として深い睡眠を得られるようになってきます。
成人の場合は、特に0:00前には床に就き、6.5時間~7.5時間の睡眠時間を確保できるように起床時間から逆算して調整をしましょう。理想的な睡眠時間は年齢が低くなるほどに長くなります。
院長渋谷実際には寝付けなかったとしても、決まった時間に横になり休もうとすることが大事ですよ - リラックスする習慣:
寝る前にリラックスする時間を作りましょう。例えば、白湯を飲んだり、軽いストレッチや深呼吸、簡単な瞑想などが効果的です。
テレビやスマホの光刺激、激しい音楽などは覚醒側に働いてしまいますので気をつけましょう。
- 適切な環境作り:
寝室はなるべく暗くし、静かで快適な温度に保てるように心がけましょう。
明かるさは特に重要です。実は私たちの身体は皮膚レベルで光を感知し、自律神経活動ならびにホルモン作用が反射的に影響を受けています。
寝るときにはできるだけ暗くが睡眠の質を高めてくれます。カーテンの
また、寝具も自分に合ったものを選びましょう。合う合わないの目安は起床時の身体の状況から判断しましょう。つまり、寝ても疲れがとれない場合や、寝ていただけなのに身体のどこかが痛くなってしまう場合などは、寝具が身体に合っていない可能性が高いということになります。
- 食事と飲み物に注意:
就寝2~3時間前には自律神経の安定のためにもカフェインやアルコールの摂取は避け、食事(特に甘い物)にも避けるように心がけましょう。
胃腸の中に食べ物が残っていると、睡眠中にもかかわらず消化にエネルギーが割かれてしまうことになり、睡眠の質が低下してしまうのです。
就寝中に身体で使われるべきは、消化酵素ではなく代謝酵素なのです。
代謝酵素が、エネルギー代謝や細胞の修復、成長ホルモンの分泌を促し身体の健康を守ってくれるのです。
寝る直前に食べない、飲まないということは睡眠の質にとってとても重要なんです。
- 適度な運動:
日中に適度な運動をすることで、自律神経が適度に刺激され夜の睡眠の質が向上します。激しすぎる運動や疲れすぎは逆効果となってしまうこともあります。
適度というのには個人差があるものですが、自律神経を整えることが目的であれば、一般的な散歩・優しいヨガレベルの「ぜーぜー、はぁはぁ」しないような運動で十分になります。
運動強度を上げることよりも、優しい運動を継続していくことが肝心です。
睡眠と関連する大事なホルモン
- メラトニン
メラトニンは「睡眠ホルモン」として知られ、夜になると分泌が増え、体を眠りに誘います。
メラトニンの分泌は光に影響されることが知られていて、特にブルーライト(スマホやパソコンの画面から発せられる光)によって分泌が抑制されてしまうため、寝る前に見る習慣があって睡眠の質に悩まれている方は習慣を見直すポイントとなります。 - 成長ホルモン
成長ホルモンは、特に深い眠り(ノンレム睡眠)の間に最も多く分泌されます。入眠後の最初の3〜4時間が「ゴールデンタイム」と言われ、この時間帯に質の高い睡眠をとれるかが大事になります。
主に深い睡眠(ノンレム睡眠)の間に分泌され、身体の修復や再生を担い、骨や筋肉の成長を助けます。子どもや若者だけでなく、大人にとっても、筋肉の修復や免疫機能の強化に重要です。 - コルチゾール
コルチゾールは「ストレスホルモン」として知られ、日中の活動時間に帯に多く、お昼頃をピークとしてその後夕方から夜にかけては分泌が減るように体内時計によって調節されています。
朝にかけて分泌が増加し始め、起床時に身体が活動しやすい状態となるように整えてくれています。コルチゾールの分泌リズムが乱れると、睡眠の質が低下することがわかっています。
これを分泌しているのは副腎になりますが、コルチゾールを消耗してしまう、大食い(特に糖質過多)、ストレスや炎症疾患等の影響が強い方は、副腎の疲労によりコルチゾールの分泌量が低下してくることがあるため乱れにより注意が必要になります。 - セロトニン
セロトニンは、メラトニンの前駆体であり、日中の覚醒と気分の安定に関与しているため、幸せホルモンとも呼ばれています。体内時計を調整する役割も確認されており、質の高い眠りのためには欠かせないホルモンです。
その原料として必要になってくるのが必須アミノ酸の一つであるトリプトファン(大豆製品・魚類・米・蕎麦・バナナ・卵などに多い)。トリプトファンが脳で代謝されるとセロトニンになることがわかっています。
また、日光を浴びたり、適度な運動を行なうことでセロトニンの分泌が促進され、夜にはメラトニンの合成に役立ちます。院長渋谷これらのホルモン作用がスムーズに導かれるようにするために、ここまで紹介してきた生活習慣の見直しが必要という事になりますし、特に0:00前には床に就き7時間前後の睡眠時間を確保できるようにする(成人の場合)ことがじゅうようになります。
適度な運動
アレルギー・過敏症に負けない身体づくりをしていくためには、適度な運動習慣によって身体機能を高めていく必要があります。
すでにここで触れるような理想的な運動習慣があるにもかかわらず、アレルギー・過敏症症状がコントロールできていないような方は、運動習慣はそのままにその他のポイントを見直してみてください。
運動を行なう意味はなんなのか?適度な運動とはどのくらいのことなのか?注意点はないのか?
こういった部分を説明していきます。
アレルギー・過敏症体質の人に運動をすすめる理由
アレルギー・過敏症体質の人には運動習慣が身に着けていただくのがおすすめです。
個々に合った適度な運動習慣は、下記のような運動効果により身体の免疫機能を整えてくれるからです。
- 血流を良くする
適度な運動は心肺機能に刺激を与え、血管の弾力性を維持・改善することで血流を良くします。
酸素や栄養、ホルモンなどを身体の隅々に運搬し、また、アレルギー・過敏症による炎症反応が現れた時の抗炎症活動や末梢から出た老廃物を回収して体外に排出させるのにも血液(血流)が関わるわけですから、普段から血流状態が良いというのはとても大切なことになります。 - 体温(代謝)を上げる
運動継続による筋肉量の変化、脂肪の燃焼等によるエネルギーの消費、心肺機能の向上によるエネルギー産生率の上昇などにより代謝の向上が得られ、特に平熱が36.5℃よりも低い傾向のある方などでは体温の上昇がみられることになります。
白血球などの免疫細胞は体温が高いと活発に働く傾向があり、36.5℃から1℃の体温上昇で免疫力が5倍程度になり、38.5℃以上になると病原体を捕食するマクロファージの活性がより高まるなどの班の言うがみられます。一方で平熱の36.5℃から体温が一度下がってしまうと免疫力は約30%低下すると言われています。これは低体温下では免疫細胞が活発に働けなくなり、同時に血流や代謝の低下が身体の防御機能を弱らせ病原体等に対する抵抗力を下げてしまうからです。
免疫力が高いレベルで働き続けられるようにするためにも、運動による体温(代謝)の強化が大切になります。 - リンパの流れを良くする
リンパ系は体内の老廃物を除去し、免疫機能がスムーズに働けるようにサポートを行なっています。
リンパ液は運動によって筋肉の収縮弛緩が繰り返されるとスムーズに流れるようになり、細胞の隙間にある余分な水分や老廃物の排泄効率が高まります。
アレルギー・過敏症のある方にもこのリンパ系の働きは重要であるため、リンパ節が近くにあるような関節を積極的に動かして全身のリンパの流れがスムーズになるようにしてください。 - 自律神経を整える
適度な運動は、自律神経バランスを整えるのに役立ちます。過負荷の運動や、疲労しすぎてしまうような運動は逆効果になります。
アレルギー・過敏症症状の強弱は、自律神経活動とも密接に関わっており、特に副交感神経が過度に優位(超リラックス状態)であったりすると症状が強くなってしまう傾向があります。
そのため、日ごろから自律神経作用の切り替えが滑らかに穏やかに切り替わるような状態にしていく必要があります。
適度な刺激で身体を鼓舞(交感神経優位)し、運動後は緩やかにリラックス(副交感神経優位)していくことを繰り返すようにしていると、自律神経が過度に反応せず丁度良い振れ幅で活動できるようになってきます。車の運転に例えると、アクセルを急に強く踏んでスピードを出し過ぎてしまったり、なんでもないところで急ブレーキを踏んでしまうような危険な運転ではなく、制限速度を守り、緩やかなブレーキ操作で乗っていて心地よい運転を目指すようなものになります。
適度な運動とはどのくらいの強度なのか
適度な運動といっても、年齢・性別・体格・運動歴などの条件によって個人差が出てきます。
自分自身にとっての「適度」の目安となるものを紹介したいと思います。
- 心拍数を目安にする
運動中の心拍数を測定することで、自分にとっての運動強度を推測できます。以下の計算式で適度な運動強度を求めることができます。
運動強度(1分間心拍数) = (220 - 年齢) × 目標とする強度- 健康維持・増進: 0.5~0.6
- 体重減量、筋力維持・増強: 0.6~0.7
- 筋力・体力増強: 0.8~
例えば、40歳の方が健康維持のために行う運動強度は、(220 - 40)× 0.5~0.6 = 90.0~108回/分となります。
スマートウォッチや心拍計、スマホのアプリ機能などを利用して計測してみてください。
- 会話テスト
運動中に会話ができる程度の強度であれば、健康維持・増進レベルに適した運動と判断できます。
対象運動中に、息が切れずに話すことができるかどうかを確認してみてください。 - 運動時間と頻度
運動時間と頻度も様々な条件によって適度なラインが異なってきます。一般的な目安を紹介します。
〇健康維持・増進レベル
成人(18歳以上)
- 有酸素運動: 1日60分(約8000歩相当)以上の歩行や同程度の身体活動がす師匠されています。
- 筋力トレーニング: 週2~3回、息が弾んで汗をかける程度の運動を週60分以上行うことが推奨されています。
高齢者(65歳以上)
- 有酸素運動: 1日40分(約6000歩相当)以上の歩行や同程度の身体活動が推奨されています。
- 筋力トレーニング: 成人と同様に週2~3回行うことが推奨されています。
子ども(18歳未満)
- 有酸素運動: 1日60分以上、遊びやスポーツなどで体を動かすことが推奨されています。
- 筋力トレーニング: 週3日以上、縄跳び、ジャンプなどの活動を行うことが推奨されています。
4. 自身の現状、体調に合わせる
- 運動に不慣れな方は週に1回、少ない回数等でも構わないので、少しづつけれども継続して行える強度や頻度で行ってください。慣れてきたら増やしていけるようにするのが良いです。
- 無理をせず、自分の体調や体力に合わせて運動を行うことが大切です。
- 運動後に心地よい疲労感が出る程度が目安です。運動中に極端に苦しい想いをしたり、不必要に身体を追い込むような運動強度になってしまうと自律神経バランスを乱すことに繋がってしまうため、今回の目的とは合わない強度と言えます。
相性の良い運動はこのようなもの
自律神経活動にほどよく作用し、心身コンディションを整えやすい運動としては以下のようなものが代表となってきます。
しかしながら、運動と同時にストレスの発散が行えることも重要なテントなりますので、あなた自身が好きで、楽しみながら継続的にできる運動やスポーツがあれば、その習慣をほどよく利用できるのが理想的でしょう。
- 有酸素運動: 散歩、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどは心肺機能を高め、交感神経と副交感神経のバランスを整えてくれます。
- ヨガやストレッチ: リラックス効果があり、呼吸法を意識的に取り入れることで自律神経の調整に役立ちます。
- 水泳: 水中での運動は関節に優しく、リラックス作用と同時に全身運動と水圧による血流改善作用も得られるため、自律神経のバランスを整えるのに効果的です。
運動時のポイント!!
運動の際には、以下の点が上手く取り入れられるようにしてみましょう!
- 特に肩関節・股関節が大きくグルグル動かせる
- 体幹(背骨)を左右に何度も捻るような動き
- (気持ちいい)(楽しい)と感じられる負荷
- 頻度や負荷を上げるのは慣れてきてから
- 「キツイ」「ツライ」はNG「効いてる!」と
アレルギー・過敏症と運動の注意点
基本的に運動は自律神経系のコントロールやストレスの発散、血流の改善と言った部分で、多くのアレルギー・過敏症患者さんに有効なものとなるわけですが、以下の様にいくつか注意の必要なケースやポイントもあります。
-
運動誘発喘息:
- 運動が喘息を誘発したり、悪化させることがあります。特に冬場の運動で冷たく乾燥した空気が気道を刺激してしまう時に、気道が狭くなる反射が引き起こされて、喘息発作が起こりやすくなります。
-
運動誘発アナフィラキシー反応:
- まれに、激しい運動により重度のアレルギー反応(アナフィラキシー反応)が起こることがあります。その症状は、わかりやすい蕁麻疹・呼吸困難のようなケース瘀あれば、腹痛や下痢、頭痛と言った症状の場合もあります。
特定の食品(特に小麦やエビ)を食べた後に運動すると、この反応が引き起こされることがあります(食物依存性運動誘発アナフィラキシーともいう)。
このような既往のある方においては、運動に関して医師からの指導が出ているはずですので、その指示に従うようにしてください。
- まれに、激しい運動により重度のアレルギー反応(アナフィラキシー反応)が起こることがあります。その症状は、わかりやすい蕁麻疹・呼吸困難のようなケース瘀あれば、腹痛や下痢、頭痛と言った症状の場合もあります。
コルチゾールを味方につける
炎症を抑えるために働くホルモンの一つにコルチゾールがあります。コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスを感知すると分泌が上昇することから、ストレスホルモンとも呼ばれます。
また、自らの体内で合成される内因性のステロイドホルモンでもあります。
コルチゾールの主な働き
- 抗炎症作用: コルチゾールは、体内の炎症反応を抑える役割を果たします。炎症が起こると、コルチゾールが分泌され、炎症を引き起こす化学物質の生成を抑制します。
- 免疫抑制作用: コルチゾールは、免疫システムの過剰反応を抑えることで、アレルギー反応や自己免疫疾患の症状を軽減します。
- 代謝調整: コルチゾールは、糖質、脂質、タンパク質の代謝を調整し、エネルギー供給を助けます。
コルチゾールの分泌は、ストレスや体内の炎症に応じて増加しますが、過剰なストレスが続くと、コルチゾールの分泌バランスが乱れ、健康維持に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。
[☆こちらもご参照ください=アトピー性皮膚炎とステロイドの話]
コルチゾールを上手く働かせるためには、以下の方法が効果的です。
1. 栄養の摂取
・ビタミンC(柑橘類、いちご、キウイ、赤ピーマンなど)は、コルチゾールの合成に特に必要な栄養素です。
・コレステロール(卵、肉類、乳製品など)は、コルチゾールの材料になります。が、摂り過ぎは中性脂肪値や血管への影響が考えられるため過剰な摂取には気をつけましょう。
・ビタミンD(魚類、卵黄、日光浴)は、コルチゾール合成をサポートします。
・マグネシウム(ナッツ、種子類、全粒穀物、葉物野菜など)は、コルチゾールの分泌調整に関わります。
・オメガ3脂肪酸(アマニ油、エゴマ油、魚類の脂、クルミなど)の持つ抗炎症作用がコルチゾールの体内バランスとも関わります。
これらの栄養素をバランスよく摂取することで、コルチゾールの合成と分泌バランスが安定しやすくなります。
2. 十分な睡眠
睡眠の質はコルチゾールの分泌リズムや副腎の疲労回復に大きく影響します。毎日同じ時間に就寝・起床する、朝起きたら太陽の光を浴びる、夕方以降にカフェインを摂らないなど、睡眠リズムを整えることが大切です。成人の場合、昼夜逆転の生活とならぬよう、毎晩7時間前後の睡眠時間を確保できることが理想になります。
3. 適度な運動
適度な運動は副腎の健康を保ち、ストレス解消や睡眠の質の向上にも役立つことで、コルチゾールの生成を助けます。有酸素運動(散歩、ウォーキング、ランニング、サイクリング、水泳など)や筋力トレーニングを日常的に取り入れると良いでしょう。
4. ストレス管理
ストレスが増えすぎるとコルチゾールが過剰に分泌されるため、自分なりのストレス解消法を見つけて、意識的にストレスを発散することが重要です。例えば、趣味を楽しむ、リラックスする時間を作る、瞑想やマインドフルネスを実践するなどが効果的です。時には生活環境を変えてしまった方が良いことなどもあるでしょう。
ストレスを適切に管理することで、副腎の負担を軽減しつつコルチゾールの生成を促進させることができます。
5.禁煙
喫煙そのものがコルチゾールの分泌を増加させることが知られています。そのため、禁煙することがコルチゾールの余計な消耗を防ぐことになり、適切な分泌リズムの維持へと繋がります。
ストレスの管理
コルチゾールの項でも触れましたが、アレルギー・過敏症のコントロールにはストレス管理が役立つケースが少なくありません。
ストレスがかかると喘息発作が出たり、身体が痒くなったり、アレルギー症状がわかりやすく悪化した経験などが無いでしょうか?
ここでは、ストレスが免疫系に与える影響について触れたいと思います。
アレルギーとストレスには密接な関係があります。ストレスが高まると、体がアレルギー反応を引き起こしやすくなることがあります。これは、ストレスが免疫システムに影響を与え、アレルギー症状を悪化させる可能性があるためです。
例えば、ストレスが増加すると、体内でホルモンバランスが乱れ、アレルギー反応を引き起こす物質(ヒスタミン)の分泌が増えることがあります。また、ストレスが続くと、体がアレルギー反応を抑える能力が低下することもあります。
アレルギーとストレスの関係を理解することで、ストレス管理がアレルギー症状の軽減に役立つことがあります。リラックス法やマインドフルネス、適度な運動などが効果的です。
-
免疫細胞のバランスの変化:
ストレスがかかると、免疫系のバランスが崩れます。特に、Th1細胞(細胞性免疫を担当)とTh2細胞(液性免疫を担当)のバランスが変化し、Th2細胞が優位になることがあります。これにより、アレルギー反応が増強されることがあります
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肥満細胞の活性化:
ストレスホルモンは肥満細胞の脱顆粒を促進し、ヒスタミンなどのアレルギー媒介物質の放出を増加させます。これにより、アレルギー症状が引き起こされやすくなります。
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自律神経系の影響:
- ストレスは交感神経を活性化し、気道の収縮や血管の収縮を引き起こします。これにより、喘息やアレルギー性鼻炎の症状が悪化することがあります。
ストレスがアレルギー体質の人に与える影響について、生理学的な観点から見ると、いくつかの重要なポイントがあります。
-
ホルモンバランスの乱れ: ストレスは体内でコルチゾールと呼ばれる「ストレスホルモン」を増加させます。このホルモンはアレルギー反応を悪化させることがあります。ストレスが増加すると、副腎がコルチゾールというストレスホルモンを大量に分泌します。コルチゾールは短期間では炎症を抑える効果がありますが、長期間にわたる高レベルのコルチゾールは逆に免疫系を抑制し、炎症を引き起こすことがあります。また、ヒスタミンの分泌も促進されるため、アレルギー症状が悪化することがあります。
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免疫システムの活性化: ストレスは免疫システムを活性化させ、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。これは、アレルギー症状が悪化する原因の一つです。ストレスによって交感神経系が活性化され、免疫システムが過剰反応を起こすことがあります。この過剰反応により、アレルギー症状が強く現れることがあります。例えば、ストレスにより体内の免疫細胞がアレルゲンに対して敏感になり、アレルギー反応が増強されることがあります。
-
炎症反応の増加: ストレスは体内で炎症性のサイトカイン(特にTNF-αやIL-6)を増加させることがあります。これにより、アレルギー反応が悪化することがあります。ストレスが続くと、体内で炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)の分泌が増加します。これらのサイトカインは炎症反応を促進し、アレルギー症状が悪化する原因となります。例えば、アトピー性皮膚炎や喘息の悪化に関連しています。
-
呼吸器系への影響: ストレスは呼吸器系にも影響を与え、アレルギー性鼻炎や喘息の症状を悪化させることがあります。ストレスが長期間続くと、慢性的な呼吸器系の問題を引き起こしてしまうこともあります。
一般に、ストレスが加わり交感神経系が活性化すると気道が一時的に拡張し、酸素を取り込みやすくなる反応が見られます。これは「戦うか逃げるか」反応の一作用で、身体が急激にエネルギーを必要とする状況で起こるものです。しかし、長期的または慢性的なストレスが続いてしまった場合にはこの限りではなく、気道は炎症を起こしやすくなってしまい、結果として喘息や咳などのアレルギー症状が悪化してしまうことがあるのです。
要するに、短期的なストレスは気道の拡張を引き起こし呼吸がしやすくなるものの、長期的なストレスは免疫系や炎症反応を通じて気道に負担をかけてしまうことがあるということになります。 -
皮膚の反応: ストレスは皮膚のバリア機能を低下させ、アレルギー症状を悪化させることがあり、関連して湿疹や皮膚の痒みなどの症状が現れることがあります。
皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激に対して皮膚が敏感になりやすくなり、アレルギー反応が増強してしまうのです。*ストレスが体に与える影響は非常に広範で複雑ですが、特に免疫機能に影響を与えてしまうことがわかっています。その影響にはストレスホルモンであるコルチゾールが関与していて、コルチゾールは、短期的には体を「戦う準備」にさせる役割を果たし、アレルギーのような炎症症状への抵抗性を高めてくれます。しかし、長期的にコルチゾールの影響を受け続けてしまうと今度は逆に免疫系を抑制し、炎症を引き起こしてしまうことがあるのです。このような作用により、炎症への抵抗性が弱まり、身体が本来持つ防御システムの能力が低下し、炎症(アレルギー)症状の悪化や感染症にかかりやすくなってしまう可能性が出てきてしまうのです。
また同時に、ストレスは炎症性サイトカインの産生を増加させることもあり、これが免疫系のバリア機能の能力をさらに低下させてしまう要因となります。
炎症性サイトカインには、体のバリア機能を低下させるいくつかのメカニズムがあります。具体的に以下のようなものす。
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細胞の透過性の増加:炎症性サイトカインは、血管内皮細胞や上皮細胞の細胞間結合を解体し、細胞の透過性を増加させます。これにより、通常は通過しない物質や細胞が血管壁を通過しやすくなります。
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炎症細胞の活性化:サイトカインは、マクロファージや好中球などの炎症細胞を活性化し、これらの細胞がバリアを通過しやすくなります。
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バリア組織の破壊:炎症性サイトカインは、バリア組織(例えば、腸の上皮細胞や皮膚のバリア機能)を直接破壊することがあります。
このように、ストレスは体の免疫機能を様々な形で低下させてしまうことがわかっています。過剰な、継続的なストレスはアレルギー症状にとって大敵なのです。
ストレス管理がアレルギー症状のコントロールにおいて重要な役割を占める理由です。
-
アレルゲンの回避
現代医療において、アレルギー症状を起こしてしまう人がその対象アレルゲンとの接触を避け続けるというのは至極当たり前の対応策です。
つまりは、アレルギー症状の多くは治すことができず、症状が出てしまった時に症状を抑えこむことしかできないというのが基本的な世間の認識になります。
ここでは一般的なアレルゲンへの対処方法と、ついでにアラテックセラピーを利用するとどうなるのか?ということの違いについて触れてしまいたいと思います。
アレルギー物質の特定
まず、自分がどのアレルギー物質に対して反応しているのかを特定することが重要です。医療機関でアレルギー検査を受けることにより、具体的なアレルゲンを特定できます。
医療機関で行える検査には以下のようなものがあります。
血液アレルギー検査:血中のIge抗体の量を測定するRAST、VIEW39、MAST48 などの検査法と、血中のIgG抗体の量を測定する遅延型フードアレルギー検査があります。
- RAST:200種以上あるアレルゲンの項目の中から13種類を選択して行う検査です。【費用:保険適応3割負担で1項目330円、13項目で4,290円】
- VIEW39:定められた代表的な食物系・吸入系アレルゲン39項目について一度に調べられる検査です。【費用:保険適応3割負担で4,500円程度】
- MAST48:定められた代表的な食物系・吸入系アレルゲン48項目について一度に調べられる検査です。【費用:保険適応3割負担で4,500円程度】
- 遅延型フードアレルギー検査(120項目):日本食に馴染みの深い食品を中心に検査を行なえます。【費用:約38,000円~】
- 遅延型フードアレルギー検査(219項目):多様化する食生活に対応した項目の検査を行なえます。【費用:約50,000円~】
上記の検査は医療機関で行われるため、検査結果は医師の診断として扱われます。
- アラテックセラピー:生体に備わる反射機能を用いて、アレルギー反応を含め心身が苦手とする物質/刺激を評価します。
てんびん鍼灸治療院の場合、初回来院時の基礎評価項目は一般的にアレルゲンとなりやすい86物質+αになります。+αは、患者さんの訴えが基礎評価項目外の物質/刺激であった場合に追加確認を行なうものです。 - ただし、施術者が医師ではないため診断は出来ません。あくまで身体の反応を記録した評価ということになります点にご注意ください。また、評価と同時に施術も行っていきます。
食品、サプリメント、吸入アレルゲン、体内生体物質、物理刺激、化学物質、金属、動物、昆虫、ストレス、感情などなど、評価/施術を行なえる物質・刺激の総数は数万種類に渡ります。
2回目以降のご来院時に、その他の物質や刺激に対する追加評価を行なうことも出来ます。【費用:初回22,000円、2回目以降11,000円~16,500円】
環境管理
アレルゲンを避けるために、自宅や職場、車などの環境を整えることが大切です。例えば、ペットの毛を取り除く、空気清浄機を使う、室内の湿度を調整するなどが挙げられますが、避けるべき物質は個々によって異なるため、ご自身の症状に関連するアレルゲンとの接触を防ぐようにすることが大事です。
*アラテックセラピーを行ない、その効果が身体に定着(施術後24時間経過以降)した場合、多くの場合アレルゲンを避ける必要がなくなります。
接触物の選択
アレルギー反応を引き起こす可能性のある物質、例えば衣類の繊維や染料、シャンプーや洗剤、柔軟剤などの化学物質、食品などとの接触を避ける選択が一般的には必要になってきます。素材や成分を確認して適切な商品を選ぶことが重要です。
*アラテックセラピーを行ない、その効果が身体に定着(施術後24時間経過以降)した場合、多くの場合アレルギーを引き起こしていた物質に触れられるようになります。
食事管理
一般に、食物アレルギーであった場合、対象のアレルゲンを含む食品を避けることが必要です。食品の成分表示を確認し、アレルギー物質を含む食品を避けるようにしましょう。
*アラテックセラピーを行ない、その効果が身体に定着(施術後24時間経過以降)した場合、多くの場合アレルギーを引き起こしていた食品が食べられるようになります。
ただし、アナフィラキシーを引き起こしてしまう食品への施術は行えません。また、効果を100%保証できるものでもありません。
なかなか効果の出てこない人の特徴
アレルギーや過敏症の症状を緩和/コントロールしようとした時に、(なかなか思うように結果がついてこない)となってしまう方が少なからずおられます。そのような方には以下のような特徴がみられることが多いです。
- 極端な小食/偏食
- 睡眠不足/睡眠が不規則
- 運動不足/運動嫌い
- 他の持病があり治療中/服薬中
- ストレスの多い生活環境が変えられない
- 基本を無視し我流の取り組みとなりがち
最終的に、アレルギーや過敏症症状を抑え込む力を発揮してくれるようになるのはあなた自身の身体です。
身体には回復しやすい条件というものが存在しますので、それらをこのページできちんと理解し実践されてみてください。
完璧ではなくともコツコツと努力を続けられる方が結果を手にされるものです。